2024.09.29

CARS

ポルシェ918スパイダーのニュル最速ラップの記録を塗りかえたスーパースポーツ! ウラカン・ぺルフォルマンテは、どんなランボルギーニだったのか?【エンジン・アーカイブ「蔵出しシリーズ」】

ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ

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運転のしやすさは驚異的

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ピットロードを先導車について走り出した瞬間から、サウンドとパワーの出方がこれまでのウラカンとは違うと感じた。ほとんど直管のようにまっすぐ、リアの高いところに排気管が突き出しているのだから当然といえば当然だが、驚くほど迫力のある勇ましい低音が聞こえてくる。アクセレレーターを踏み込んでいった時のトルクの付きも、低速時からきわめて良くなっていると思った。

エアベント、パドル、ドアハンドルそしてセンターコンソールはすべて軽量なフォージド・コンポジット製。シート表面やダッシュボードにも軽量なアルカンターラ生地が使われている。

コースに出て速度を上げていき、最初の高速コーナーを曲がった時には、すでにこれまでとは違う、路面に張りついているかのような強力なダウンフォースを感じていた。コーナー進入時に想像していたよりもずっとグリップが良くて曲がりやすいように感じられたのだ。その一方で、いざ直線に出てフル加速を試みた時に見せる凄まじいまでの加速感には呆然とさせられた。果たして、これがALAオンによるダウンフォース低減の効果によるものなのかどうかは分からないが、とにかく何かに吸い込まれていくかのように速い。

この時のモードはストラーダ。それでも十分に速いし、極めて走りやすいし、なんら不満はないと思った。次にスポルトにしたら、突如、クルマが豹変したように、ただでさえ勇ましいサウンドにさらに派手なバックファイヤーのような爆音まで加わったのには驚かされた。ステアリングやスロットルの操作に対するレスポンスも極めてピーキーになり、コーナーからの立ち上がりでスロットルを開けすぎると、どんどんお尻が出て行こうとする。正直に言って、これは安定して速く走るためのモードというより、ドリフト走行を見せるための演出モードという感じだ。



さらにコルサに切り換えて、最初に中速コーナーを曲がった時には、ヒヤッとさせられることになった。他のモードとは比較にならないくらい鋭くノーズの向きが変わるものだから、必要以上にインに入ってしまったのだ。これがエアロ・ベクタリングと可変ギア比のステアリングの効果なのかと気づいて、なるほどと頷いた。少し慣れが必要かもしれないが、うまく使いこなせるようになると、このモードが一番タイムを出すための走行に向いていることは明らかで、余計な演出が加わることなく走りに徹している分、スポルトより運転もしやすいと思った。

それにしても、これだけのハイパフォーマンス・カーをいきなりグランプリ・サーキットで走らせてこんなに楽しく運転できるなんて、なによりもその運転のしやすさこそが一番の驚異かもしれない。いまサーキットで運転を楽しむのに最高の1台であることは間違いない。ただし、実はこのあと1時間ほど公道走行も体験したのだが、公道ではあまりの足の硬さに面食らうほどであったことも蛇足ながら付け加えておこう。

文=村上政(ENGINE編集長) 写真=アウトモビリ・ランボルギーニS.p.A

■ランボルギーニ・ウラカン・ペルフォルマンテ
駆動方式  エンジン・ミドシップ縦置き4WD
全長×全幅×全高 4506×1924×1165mm
ホイールベース 2620mm
車両乾燥重量 1382kg
エンジン形式 V10DOHC(直噴+ポート噴射)
排気量 5204cc
ボア×ストローク 84.5×92.8mm
最高出力 640ps/8000rpm
最大トルク 61.2kgm/6500rpm
トランスミッション デュアル・クラッチ式7段自動MT
サスペンション(前)  ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後)  ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ(前後) カーボン製通気冷却式ディスク
タイヤ  (前)245/30R20、(後)305/30R20
車両本体価格(税込) 3416万9904円

(ENGINE2017年8月号)

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