2023.11.04

CARS

【後篇】2023年総まとめ! 総合第1位は? 自動車評論家41人が選んだ「2023年いま買いたいクルマのランキング!」 “愛”と“欲望”の公開座談会

エンジン・ホット100ランキング発表! 公開座談会開催!!

全ての画像を見る
自動車ジャーナリスト35名と編集部員6名が20台、さらにエンジン・プレミアム・クラブ会員の有志36名が5台を、自らの欲望のままに選び、それを集計した総合順位はクルマ好きにとって、どういう意味を持つのか? ジャーナリストを代表する島下泰久さんと渡辺敏史さんの2名と、エンジン編集長の村上、そしてエンジンHOT100事務局長の荒井の4名による座談会を、今年はパーティを兼ねた公開座談会を青山の「インターセクト・バイ・レクサス」で行った。今回は、前篇に続いて自動車好きが集まって大いに盛り上がった座談会の後篇をお送りする。◆20位から7位の前篇から読む場合はコチラ!

第6位は、ル・マン24時間レースで活躍したスポーツカーだ!

荒井 さて、ここからはレースで言えば入賞です。第6位はシボレー・コルベット! コルベットと言えば、今年のル・マン24時間レースでC8Rとしては念願のクラス初優勝を飾りました。来年以降はGMとしては参戦しないと言っているので、コルベット・レーシングとしては最後を飾ったということになります。

第6位 シボレー・コルベット

渡辺 C8Rは5.5リッターV8DOHCなんですけど、それのロードゴーイング・バージョンとしてZ06が先日、富士スピードウェイでお披露目されました。だからわざわざル・マンで勝つためにDOHCエンジンを作っていたわけです。

島下 コースサイドでコルベットとGMのP1マシンを見たんですけど、アメリカンな音がするんですよ。ちゃんとアメ車が来たっていうサウンドを響かせていました。ミッドシップにしたり、勝つための道具をいろいろ揃えたんだけど、自分たちの血筋みたいなものは変えてないんだなと思いました。

荒井 5位は初登場! ポルシェ・ケイマンGT4RS!

第5位 ポルシェ718ケイマンGT4RS/718スパイダーRS

渡辺 これはEPC会員のなかでの2位になります。

村上 これは禁断の果実を食べちゃった感じがありますよね。このエンジンはGT3のエンジンなわけでしょ。ポルシェにはボクスター、ケイマンは911より下というヒエラルキーがある。ところが分をわきまえずにGT3のエンジンを乗せちゃったわけですから。

渡辺 次は電気というハナシもある。最後の打ち上げ花火みたいな感じがする。

村上 やるべきことは全部やっておかなければいけないという思いを込めて作ったクルマだと思う。だからこれを買っておけば100年経ってもいいと思えるはず。

荒井 いくつまで生きるつもり(笑)。

島下 乗るといい意味でヒリヒリするクルマです。911GT3は街乗りを普通に出来る感じがするけど、これは乗り心地とか、ハンドリングの切れ味とか、音のウルサさに覚悟がいる。だからこそカッコイイというのがある。

渡辺 究極の非日常ですよね。

荒井 4位行きます。ポルシェ・ケイマンGTS4.0&GT4!

第4位 ポルシェ718ケイマンGTS4.0/GT4

渡辺 GT4っていう名前が付いてますけどGT4RSよりは、はるかに民主的。GTS4.0は本当にGTとしても使える。

島下 かつ、RSにはないMTが選べるというのもいいですよね。

村上 もう自然吸気のフラット6に乗れるのは、GT3系を除いてはこれしかない。これはポルシェの良心だと思っている。これをいま買っておけば50年は絶対いけるよね(笑)。

島下 だからいくつまで生きるんですかって(笑)。

荒井 いよいよ表彰台です。エンジン・ホット100、第3位の発表です! ドロロロロ……(口ドラム・ロール)。ポルシェ911GT3!

第3位 ポルシェ911GT3/GT3RS

渡辺 EPC会員の第1位です。

村上 やっぱり来たかって感じだよね。シルバーストーン・サーキットで乗りましたね、島下さん。

島下 乗りましたRS。これ、僕の1位です。RSもいいんですけど、僕は普通のGT3でも十分です。次期型は買いますと書きました。GT3は2台乗ってきたので思い入れがある。今回はシャシーのアップデートがあって、そこに惹かれてます。前はエンジンをいつくしむためにマニュアルで乗りたいと思っていたんですけど、今度買えるんだったら必ずしもマニュアルでなくてもいい。シャシーが素晴らしいのでハンドリングを味わいたいです。

村上 ポイントはフロントがダブルウィッシュボーンになって、パフォーマンスのレベルがドンと上がった。

島下 ハンドリングの世界が突き抜けたことが、僕が高得点を与えた理由です。

荒井 第2位はマツダ・ロードスター。なんと4年連続第2位です!

第2位 マツダ・ロードスター

村上 おめでとうございます! 1989年にデビューして以来、日本の最高のスポーツカーであり続けながら、どんどん進化している。そこがすごい。NDが出たときにNCからパワーダウンして、おや?っと思ったんだけど、わかってないのは自分だったんだね。マツダはこういう時代になることを見通していた。「パワーじゃないよ、クルマの楽しさは」ということをわかっていた。

渡辺 6月に990Sの契約書にサインしました。この歳になって運転を一から見つめ直してみようかと。

島下 ライバルが追随してこないよね。いまや唯我独尊。

渡辺 フォロワーは出ては消えですからね。ミッドシップで「パワーじゃないよ、軽さだよって」というところはあるけれど。FRではマツダしかない。

ダントツ1位は、なんと5連覇のあのスポーツカー!

荒井 はい。では1位の発表です。41名のジャーナリストのうち29名が選出、EPC会員は8名が選びました! アルピーヌA110!

第1位 アルピーヌA110

会場 おめでとう!(大拍手)

荒井 5年連続第1位です。

渡辺 ベスト・ジーニストだったら殿堂入りじゃないですか。

村上 ちょっと言葉がないぐらい凄いよね。

島下 アルピーヌの面々が会場に来ているなと思ったら(笑)。

村上 ポイント数が476ポイント。2位が340ポイント、3位が229ポイント。ぶっちぎりの1位。

村上 精神としたら、ロードスターとA110はすごく近いと思う。

島下 クルマ好きというか、エンジンを読んでいる人のような感性を持っている人たちは、こういうものに目が向いているんですね。速いけど扱いきれないというものではなくて、自分が楽しめるものがいい。アルピーヌが5年連続、ロードスターが4年連続。GT3も例年上位にいる。みんなが求めるものはこの辺にある。定番になっているわけですよね。

村上 そうだね。そのあたりがクルマ好きの欲望の在処だなという気がする。この先どういう時代になるかはわからないけれど、クルマ好きが求めているのはこういうモノなんだなと。電気の時代になってもクルマ好きが求めているのはこういう世界なんだと。それがハッキリとわかるホット100になったと思う。

荒井 1位から10位までを見てもやっぱり運転して楽しいクルマがズラッと並んでますからね。

「これ、オフレコですけど……」という話もあり、クルマ好きとしてはなんとも嬉しい話を聞くことが出来た。本誌はこれからもこのようなイベントを多数開催する予定です。

島下 今後、電動化だけでなく、知能化など、いわゆる移動の手段はもっと多様になっていくはず。たとえば、渋滞にハマリながら会社に行かなくて済むようになると思う。でもスポーツカーは残る。単なる移動はもっと便利なものになるけど、だからこそ休日に乗るものは自分で操る喜びがあったり、所有する喜びがあるものにしたい。その欲望って永遠のものだと思う。つまり一過性のクルマ選びといった小さな話ではない。そして、最後までクルマの文化を紡いでいくのはこういうものだと思うんです。

渡辺 そうですね。今回も運転が楽しいクルマが多くの人に支持された納得の順位でした。

村上 ということで、2023年のエンジン・ホット100はこのような結果になりました。みなさん、ご清聴いただきありがとうございました。誌面はここまでですが、会場のみなさんには、このあと3位、4位、5位となったポルシェ ジャパンの黒岩真治さん、2位となったマツダからはロードスター主査の齋藤茂樹さん、1位のアルピーヌからはルノー・ジャポン代表取締役社長の小川隼平さんから、ここだけの話を伺おうと思います。本日はありがとうございました。

話す人=島下泰久+渡辺敏史+村上 政(ENGINE編集長)+荒井寿彦(ENGINE編集部・まとめ) 写真=茂呂幸正(パーティ会場)

◆総合20位から1位の総評、そしてモータージャーナリスト41人のすべてのマイホット20はコチラ!

(ENGINE2023年9・10月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement