2023.11.15

CARS

エンジン編集部の911、不具合をすべて修理して万事快調! 【エンジン編集部長期リポート 79号車 ポルシェ911カレラ4S(996型)#64】

エンジン編集部の長期リポート79号車/ポルシェ911カレラ4S(996型)

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エンジン編集部の長期テスト車、79号車のポルシェ911カレラ4S(996型)、ホイールを修理し、タイヤを交換したのに続き、夏前から抱えていたマイナートラブルをイッキに解消。いざ、ポルシェ・エクスペリエンス・センター東京へ。

996型はすでにクラシック・カテゴリー入りしていた!?

前回はホイールを修理してタイヤをポルシェ認証のNマークのついたミシュラン・パイロットスポーツ2に交換した話を書いたが、実はそのための入庫の際に、いくつかのマイナートラブルも一緒に解決して欲しいとディーラーに依頼していた。ところが、そのひとつであるリモコンキーの作動不良を修理するのに必要なパーツの在庫が国内になく、ドイツからのパーツ到着を待って、再び入庫することになっていた。

これは後から知った話だが、すでに生産終了から10年以上を経過した996型のパーツは、ポルシェ社内ではクラシックのカテゴリーに入れられているのだとか。空冷用のように特別な箱に入れられて届くわけではないが、クラシックのパーツとなると、必ずしもすべてが国内に常に揃えられているわけではなくなるようだ。とはいえ、ドイツ本国から取り寄せても2週間ほどで届くというから、それほど心配はいらない。今回もそのくらいの期間で届いたので、折りを見てディーラーに入庫した。

長年リモコン・キーの反応が悪かったのは車両側受信センサーの作動不良が原因だった。パーツ代1万1600円、工賃8800円。

トラブルは大きく3つあった。まず、79号車は導入当初からリモコンキーの反応がやや鈍いことが気になっていたが、この春以降、状態が悪化して、鍵穴を使って開錠しなければロックが解除されない症状が度々出ていた。調べてもらったところ、原因はダッシュボードの中央に取り付けられた受信センサーの作動不良にあることが判明。このパーツが国内になかったために、ドイツから取り寄せることになったのだ。修理後は、やや離れた位置からでもリモコンが使えるようになり、快適なことこの上ない。リモコンがうまく使えないのは、意外に心理的なストレスになっていたことがよく分かった。

この春以降、スイッチを回してもヘッドライトが点灯しないトラブルが度々発生していた。その原因はロータリー・スイッチの作動不良にあった。

ふたつ目のトラブルは、スイッチを回してもヘッドライトが点灯しない現象が度々起こっていたことだ。システムテスターによる調査の結果、ヘッドライトには問題がなく、ライトスイッチの方の作動不良と判明。使用頻度の高いパーツだけに、経年劣化による故障は決して珍しくないという。関連するパーツをごそっと一式交換した結果、スイッチを回した際のカチッという感触もすこぶる良くなり、すべて解決。こちらも点かなかったらどうしようという心理的ストレスから解放された。

右テールランプの作動不良は不具合が重複したためと判明。

最後のトラブルは、右テールランプのブレーキランプと車幅灯が点いたり点かなかったりしていると後続車から何度か指摘されていたことだ。ブレーキランプは左側にもハイマウント部分にもあるから、すぐに大事に至ることはないとはいえ、できるだけ早めに直しておいた方がいい。これもテスターによる調査の結果、複合的な原因が判明。ひとつは右テールランプの接触不良でハーネスとバルブの全交換が必要になった。もうひとつはブレーキランプ・スイッチの作動不良で、クラッチのスイッチとともに新品に交換した。ブレーキランプ・スイッチが故障してすべてのブレーキランプが点灯しなくなったら一大事である。早めに気がついて良かった。しかし、分からないのはなぜクラッチのスイッチも一緒に交換しなければならないのか、だ。79号車はクラッチを踏んでいなくてもキイを捻ればエンジンが掛かる時代のクルマである。クラッチが切れているかどうかが、ブレーキランプのスイッチと連携する部分があるとは思えないのだが……。ディーラーのマニュアルでは一緒に交換することになっているのだそうだ。きっとなにか理由があるのだろう。

愛車でドリフトを楽しめる!

それはともかく、キャプションで詳しく説明している通り、修理にはかなりの出費を余儀なくされたものの、その後の79号車は万事快調そのもので、毎日、一緒に出かけるのが楽しくて仕方ない日々を送っている。

ドリフト・サークルにて。

そんな中、8月20日にはポルシェ・エクスペリエンス・センター東京で、月に一度開かれているオーナーズ・エクスペリエンスに参加する機会を得た。これは、施設側で用意しているポルシェの各モデルを使って行なわれる通常のプログラムとは違って、オーナーが自らのポルシェに乗ってPEC東京の様々な施設を体験できる新たなプログラムである。

2.1kmのハンドリング・トラックをインストラクターの運転する先導車について走る。こちらのペースに合わせてうまく引っ張ってくれるので、とても走りやすいし、ライン取りを学べるから勉強にもなる。そして、圧倒的に楽しいのがドリフト・サークルだ。こんなに手軽に愛車でドリフトを楽しめる機会は滅多にない。ぜひ、みなさんも挑戦してみて欲しい。というわけで、PECならぬEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)でも会員向けに走行イベントをここで開催した。その模様は94ページからの記事でご覧あれ。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=ポルシェ・ジャパン(走り)/ポルシェセンター調布(修理)

◆エンジン編集部の長期リポート79号車、ポルシェ911カレラ4S(996型)の連載一覧はこちら!

■79号車/ポルシェ911カレラ4S(996型)
PORSCHE 911 CARRERA 4S
購入価格(新車時):340万円(1244万2500円)
導入時期:2017年4月
走行距離(購入後):12万6059km(4万3674km)

(ENGINE2023年11月号)

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