2023.11.11

CARS

新生クラウンの第3弾としてFRベースでセダンが復活 ミライ譲りの燃料電池車も設定

トヨタが「クロスオーバー」、「スポーツ」に続く、16代目新生クラウンの第3弾となる新型「クラウン・セダン」の受注を開始した。クラウンの王道にして、新規軸を盛り込んだ「ニューフォーマル」セダンを標榜する。

ミライよりもひと回り拡大

セダンは新生クラウンとして先行投入されたクロスオーバーやスポーツとは異なるFRプラットフォームを採用。ロングホイールベースとワイドボディを備えるショーファーニーズにも対応した大型サルーンを構築している。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=5030×1890×1475mmで、ホイールベースは3000mmとなっている。



クラウンのファミリー・フェイス

エクステリアは、フロントまわりにクラウン・ファミリーに共通するハンマーヘッドのモチーフとアンダープライオリティと銘打った大型の台形グリルを組み合わせることで、トヨタのフラッグシップとしての存在感を主張。

キャビン部分が先代クラウンのようにルーフラインがテールエンド近くまで弧を描くシルエットだが、キャビンと荷室を隔離した3ボックス形状となる。テールライトは横一線の細い灯体がサイドまで回り込んだクロスオーバーと似た形状で、バンパー中央にはLED式リア・フォグライトが設置される。

ボディ・カラーはモノトーンのみの6色を設定。それぞれに、グリルなどを漆黒メッキとし、ブラックスパッタリング塗装の20インチホイールを装着するブラックパッケージを組み合わせることも可能だ。



後席の快適性を重視

インテリアはクロスオーバーやスポーツ同様、ディスプレイやシフトまわりなど各種機能をひと括りにして配置するアイランドアーキテクチャーを導入。ダッシュボードからドアへ連続する大型パネルやセンターコンソールには木目調素材を用いる。ダッシュボードの左右や前席足元、後席ドアトリムなどには行燈のような柔らかい間接光を放つ全64色のLED照明を設置した。

後席は快適性や乗降性を高める広い足元スペースを備え、3分割電動リクライニング・シートやリラクゼーション機能、電動式サンシェードなどを採用。助手席には可倒式ヘッドレストや肩口パワーシート・スイッチといった後席の快適性を向上させるショーファー・カー的アイテムも装備される。荷室容量はハイブリッド車が450リッター、燃料電池車が400リッター。

Z(ハイブリッド車)

シリーズ唯一のFRベース

プラットフォームは「レクサスLS」や「ミライ」、先代クラウン・セダンにも用いられているフロント・エンジン後輪駆動ベースの「GA-L」を採用。前後マルチリンク式のサスペンションは路面の凹凸を室内に伝えず、旋回時や荒れた路面での揺れを小さくするセッティングが施された。

パワートレインはハイブリッドと燃料電池の2種類。クラウン初となる燃料電池車はミライと同じシステムで、ボンネット下に収めた174psの燃料電池スタックで発電し、リアに置いた182ps/300Nmのモーターで駆動する。合わせて141リッターの容量を持つ3本の高圧タンクを持ち、約3分の水素充填で約820km走行できる。住宅などへ大出力電力を供給できる外部給電器も用意された。

Z(ハイブリッド車)

マルチステージ・ハイブリッドを採用

ハイブリッドは、「レクサスLC500h」にも採用されているマルチステージ・ハイブリッドシステムに縦置きの2.5リッター直4を組み合わせたパワートレインをトヨタ車としては初搭載。185ps/225Nmのエンジンと180ps/300Nmの駆動用モーターの組み合わせで、システム総合出力は245ps。10段変速モード制御を備えることで、有段ギア車のような走行フィールを楽しむことができる。エンジンの最高出力を使用できる車速領域が従来の約140km/h以上から約43km以上へと変更され、あらゆる車速域でアクセル操作に応える駆動力を実現しているという。

グレードはハイブリッド車、燃料電池車ともに「Z」の1タイプのみを設定。現在は受注を行なっており、発売は11月13日を予定している。

価格は、ハイブリッド車が730万円、燃料電池車が830万円となっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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