雑誌『エンジン』の大人気企画、「エンジン・ホット100ニューカーズ・ランキングズ」。現在買える新車の中から注目の100台を選ぶという企画だ。41人の自動車ジャーナリストと編集部員による選考委員に、2023年は36人のエンジン・プレミアム・クラブ(EPC)会員を加えた77人が、2023年の今だからこそ買いたいと考えるクルマを1位から20位まで(EPC会員は5位まで)を選び投票。選出されたクルマにはそれぞれ順位によって1~20ポイントの点数が与えられ、注目の100台が決定する。
今回は、「エンジン・ホット100ニューカーズ・ランキングズ」でランキングされたクルマを国別に再集計。ドイツ、イタリア、フランス、イギリス、アメリカ、日本の6か国それぞれの上位10台を発表する。
今回はスポーツカーから実用車まで日本でもファンの多いドイツ車篇。みなさんが好きなあの車種はいったい何位?
※選考車両は、2023年7月にラインナップされていたものです。
第20位 BMW7シリーズ/i7
(3.0リッター直6ターボ+モーター~/フロント・エンジン後輪駆動(FR)、4WD/8段AT~)
従来のロングホイールベース仕様に統一されて大型化されたが、それでも俊敏性が失われず、大きさを忘れるハンドリングの持ち主。とくにi7がいい。(石井昌道さん)
第19位 アウディR8(クーペ、スパイダー)
(5.2リッターV10/ミドシップ4WD/デュアルクラッチ式7段自動MT)
年内で生産終了が決まったR8。アウディにとっておそらく最後の自然吸気5.2リッターV10エンジン搭載車。少々値ははるが、後世に受け継ぎたい1台。(藤野太一さん)
第18位 BMW3シリーズ(セダン、ツーリング)
(2.0リッター直4ターボ~/フロント・エンジン後輪駆動(FR)、4WD/8段AT)
前後50対50の重量バランスによる軽快なハンドリングの320i を3年半乗っている。パワーオフにしても多くの電装品が動くことも、エコな使い方に役立つ。(菰田 潔さん)
第17位 アウディQ4eトロン(スポーツバック含む)
(交流同期電動機/リア・モーター後輪駆動(RR)/1段固定)
とくにスポーツバックの小気味いいスタイルはチャーミング。VW ID.4の大らかさとは異なる、キレのいい走りっぷりも爽快だ。(島崎七生人さん)
第16位 アウディeトロンGT/RS eトロンGT
(交流同期電動機/前後モーター4WD/2段AT)
今、一番ドライブしても眺めても美しいと思うバッテリーEV(BEV)。内燃機関モデルからの乗り換えが同乗者も含めてすんなりイケる快適さ、音の演出も最もエモいGTカー。(飯田裕子さん)
第15位 フォルクスワーゲン・ゴルフ(GTI、R含む)
(1.0リッター直3ターボ~/フロント・エンジン前輪駆動(FF)、4WD/デュアルクラッチ式7段自動MT~)
自腹で購入し、つい2022年の11月まで愛用していたゴルフ。コンパクトカーのベンチマークにふさわしいパッケージングや快適さに加えて、マイルドハイブリッドを手に入れたガソリンエンジンや、静粛性の高いディーゼルなど、見どころもりだくさん。(生方聡さん)
第14位 アウディTT/TTSクーペ
(2.0リッター直4ターボ~/フロント・エンジン前輪駆動(FF)、4WD/デュアルクラッチ式7段自動MT)
現行モデルで終了。新車で手に入れる最後のチャンス。こんなにコンパクトな4WDスポーツは稀有な存在。GRヤリスよりカッコいい。(塩澤則浩さん)
第13位 フォルクスワーゲンID.4
(交流同期電動機/リア・モーター後輪駆動(RR)/1段固定)
まったく新しい専用プラットフォームに構築されたEVなので、穏やかでバランスの取れた走行性能と広い車内を実現している。それと対応するように、エンジン車時代よりもシンプルでモダンなインテリアもVWの新時代を告げているかのようだ。(金子浩久さん)
第12位 ポルシェ・タイカン(クロスツーリスモ、4、S、GTS、ターボ含む)
(交流同期電動機/リア・モーター後輪駆動(RR)、4WD/2段AT)
あえてクーペのみFR用プラットフォームを使って新型を仕立てたところにBMWの矜持を感じる。新型M2でももちろん6速MTを選ぶことができる。(藤野太一さん)
第11位 ポルシェ911ターボ(ターボS、カブリオレ含む)
(3.8リッター水平対向6ツインターボ/リア・エンジン4WD/8段自動MT)
一時期は立ち位置に迷いを感じたこともあったが、ポルシェのフラッグシップとしての運動性能とロングドライブが楽しめる快適性を持ち合わせた究極の911。(大井貴之さん)
第10位 BMW2シリーズ・クーペ
(2.0リッター直4ターボ~/フロント・エンジン後輪駆動(FR)/8段AT)
私はいまだに、220iクーペのハンドリングの感触が忘れられない。これほど気持ちよく曲がるクルマは、ポルシェ944ターボ以来のような気さえする。2.0リッター4発ターボを積んだ地味なモデルに、クルマ好きの秘孔を突かれてしまった。(清水草一さん)
第9位 ポルシェ718ボクスターGTS4.0&スパイダー(RS除く)
(4.0リッター水平対向6/ミドシップ後輪駆動(MR)/6段MT、デュアルクラッチ式7段自動MT)
クルマにとってエンジンがいかに大切かということを実感させられます。さりとてRS銘柄ほどの過激さはなくも充分に速く刺激的で、気構えなく毎日乗れる親しみやすさももっていますし。これ積んだ911カレラ、現れないもんかなぁ。(渡辺敏史さん)
第8位 ポルシェ718ボクスター(T、S含む)
(2.0リッター水平対向4ターボ~/ミドシップ後輪駆動(MR)/6段MT、デュアルクラッチ式7段自動MT)
本格的なスポーツカーでありながら、その気になればオープンエア・モータリングも楽しめるという2兎を追うクルマ。ケイマンならパフォーマンスを追究したくなるけれど、ボクスターだったらベースエンジンで十分楽しめると思います。(国沢光宏さん)
第7位 ポルシェ911カレラ・カブリオレ&タルガ(4、T、S、GTS含む)
(3.0リッター水平対向6ツインターボ/リア・エンジン後輪駆動(RR)、4WD/デュアルクラッチ式8段自動MT)
真面目な優等生感の強い911ファミリーにあって、良い意味で遊び心と色気に溢れたタルガこそベスト。とにかく乗り手のセンスが問われる唯一の911。(藤原よしおさん)
第6位 ポルシェ911カレラ・クーペ(4、T、S、GTS含む)
(3.0リッター水平対向6ツインターボ/リア・エンジン後輪駆動(RR)、4WD/7段MT、デュアルクラッチ式8段自動MT)
もうほんと耳タコでしょうが、長年そう言われ続けてなお第一線にあること自体もの凄いこと。これ一台で暮らせると思わせる実用性とパフォーマンス、ぎり現実的な価格を考えるとやはり911の存在感は揺るぎない。役物ではない素のカレラがいいんです。(高平高輝さん)
第5位 BMW M3&M4
(3.0リッター直6ツインターボ/フロント・エンジン後輪駆動(FR)、4WD/6段MT、8段AT)
クルマ好きのお父さんにとっての最高峰。良くできた可変ダンパーのおかげもあって、家族旅行からサーキット走行まで難なくこなす。しかもメチャクチャ速い。新たにツーリングが追加され、アウトドア派もM3が楽しめるようになったのは朗報。(新井一樹さん)
第4位 BMWアルピナD3S/B3
(3.0リッター直列6気筒ディーゼル・ツインターボ~/フロント・エンジン4WD/8段AT)
あくまで私見ながら、6気筒ディーゼル+ツインターボのサウンドや加速感は、往年の名作B10ビターボを連想させる。今、これほど内燃機関の喜びを全身体感できるモデルは、ほかにはないかもしれない。(武田公実さん)
第3位 ポルシェ718ケイマンGT4 RS&スパイダー RS
(4.0リッター水平対向6/ミドシップ後輪駆動(MR)/デュアルクラッチ式7段自動MT)
なんというリアル・スポーツカーだ。小さい方のRSに乗っていると道が永遠に曲がっていればいいと思う。でかいRSより公道でも格段に楽しめる。(西川 淳さん)
第2位 ポルシェ718ケイマンGTS4.0>4(RS除く)
(4.0リッター水平対向6/ミドシップ後輪駆動(MR)/6段MT、デュアルクラッチ式7段自動MT)
ピュアスポーツと言われたら、実は911よりケイマンなんですよね。4.0GTSの素直な気持ち良さは何物にも代えがたいです。次は電気と言われているだけに、ガソリンで乗るなら今しかないかも。そう言われるとさらに欲しくなる1台。(竹岡 圭さん)
第1位 ポルシェ911GT3(RS含む)
(4.0リッター水平対向6/リア・エンジン後輪駆動(RR)/6段MT、デュアルクラッチ式7段自動MT)
ベーシックなカレラがいい、と言っておきながら、やはり9000rpmまで刃物のように回る自然吸気6気筒を忘れられないのが昭和世代。元気なうちはやせ我慢して乗る。(高平高輝さん)
(ENGINE2023年9・10合併号)
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