2023.11.23

CARS

「信じられないくらい低く搭載されたV8 これぞスポーツカーのエンジン!」 シボレー・コルベットの6.2リッターV8OHVは、未来に残したい世界遺産だ! 

伝統のV8OHVエンジンを搭載するシボレー・コルベット。

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コルベットがいまでもOHVの理由

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大谷 ところで、C8でミドシップにしながら、エンジンをOHVのままとしたのは、なにか意図があってのことだったんですか?

上田 もちろんアメリカ的なフィーリングとかサウンドを求めた部分もあるんでしょうが、エンジンの搭載位置も相当低くて、横に立つと膝くらいまでの高さしかない。これがスポーツカーとしての運動性能の改善に貢献したのは、間違いありません。

村上 そうそう、その話は聞いたことがある。OHVは動弁系がエンジンの下回りにくるので、エンジン高を抑えるのに役立つそうです。



大谷 ロータス・ファンのウエダさんには言いにくいけれど、エリーゼ系ロータス・ミドシップで感じられた腰高感は皆無ですね。

上田 ないないない。このエンジンがもしもエスプリとかに積まれていたらとか、思わなくもありません。

村山 あのー、23歳のムラヤマですが、C8はもちろんのこと、コルベットにも今日、初めて乗りまして。

大谷 さっきと同じ前フリ!(笑)。

村山 すみません(笑)。 今日乗った4台のなかでいうと、乗り味にものすごくカジュアルさを感じましたし、そこが気に入りました。911GT3の恐いくらいの豹変振りとは違って、どこまで回しても変わりなく、自分が知っている世界にずっと一緒にいてくれる感じが清々しくて、すごくいいなあって思いました。

村上 ところで、コルベットって、昔からミドシップにしたいという思いがあったんでしょ?

大谷 そういう話も聞きますが、C7ではフロント・エンジンのまま、あそこまでカッチリしたクルマを作って、ムラヤマ君がいうところのカジュアル感が抜けちゃいました。C8ではミドシップにすることでクルマの基本的なパフォーマンスを向上させ、そのうえでカジュアル感も盛り込んだのではないでしょうか。

村上 クルマの基本レイアウトを変えたり、デザインも世代ごとにずいぶん違ったりするあたりは、目的を達成するためには手段を選ばないアメリカ人の功利主義的な感じもするけれど、そうしたある種の柔軟性と、頑なにOHVエンジンを守り続けてここまで完成度を高めた功績により、コルベットのV8もエンジン世界遺産に認定します!

一同 パチパチパチパチ。

◆そして話題はこちらも強烈なインパクトのV10を搭載するランボルギーニ・ウラカンへ! この続きは「エンジン世界遺産その3」で!

語る人=大谷達也(まとめも)+村上 政+荒井寿彦+上田純一郎+村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正


■シボレー・コルベット
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4630×1940×1220mm
ホイールベース 2725mm
車両重量 1670kg
エンジン V型8気筒OHV
排気量 6153cc
最高出力 502ps/6450rpm
最大トルク 637Nm/5150rpm
変速機 8段デュアルクラッチ式自動MT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 245/35ZR19 305/30ZR20
車両本体価格 1600万円

(ENGINE2023年12月号)

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