2023.12.11

CARS

中国のレンジローバーになれるか? BYDがプレミアム・ブランドの「ヤンワン」が手掛けた大型SUVを披露

ベーシックなSUVとコンパクト・カーに続き、ミドル・セダンの日本導入も予定しているBYDだが、中国では複数のプレミアム・ブランドを展開している。ジャパン・モビリティショー2023ではそれらのラインナップが一部ながら公開された。

2000万円オーバー

レンジローバーもかくやという巨体と風格を備えたSUVの名は、「仰望(ヤンワン)U8」。仰望は2023年の上海モーターショーでお披露目されたBYDの最高級ブランドで、ショーではU8のほかに、電動スーパーカーの「U9」も展示された。いずれも2000万円オーバーの価格帯で市場に投入される予定だ。



4輪インホイール・モーターのPHEV

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=5319×2050×1930mm、ホイールベースは3050mm。ボンネットの下には、2.0リッター直4直噴ターボを搭載するが、これはあくまでも発電用で、駆動力を生むのは4輪インホイール・モーターだ。



その場でUターンできる!

モーターの出力は1基あたり299ps、合計1196ps/1280Nmというピーク値もさるものながら、驚異的なのは4輪の独立制御技術だ。キャタピラ車と同じように左右輪を逆回転させることでその場での方向転換を可能にする超信地旋回や、真横への移動も可能にするという。

バッテリーはBYD独自のブレードバッテリーで、「アット3」などにも採用されるリン酸鉄リチウムイオン型になる。発電用エンジンを積むことで、容量を49.05kWhと小さく抑えており、電力のみでの航続距離は180km程度だが、エンジンの発電を合わせたレンジエクステンダーEVとしては1000kmの航続距離を実現するという。



ラダーフレームを持つ本格派

本格オフローダーを目指したU8はシャシーにラダーフレームを採用。ただし、その構造にバッテリーを組み込んだ電動車らしい設計とされている。サスペンションは独自開発のハイドロニューマチック機構を装備して路面追従性を高め、優れた走破性を得ている。

技術力の高さやクルマづくりの確かさはすでにアット3やドルフィンで実証済みのBYD。トヨタが初代LS(セルシオ)で世界をアッと言わせたのと同じようなことを、電動化時代に成し遂げるのはこのブランドかもしれないと思わされた1台だった。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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