2024.03.03

LIFESTYLE

広大な中庭につながるアウトドア・リビングのストーブに火をくべて、夜にお酒を飲むのがオーナーの楽しみ 伸び伸びと個性を発揮した建築家の南国のリゾートのような家

巨木はオーストラリア産のメラレウカ。他所より運んできた。

全ての画像を見る
雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、閑静な住宅街に建つ控えめな外観の一軒家。だが中に入ると、L字型の2つの建物に囲まれた、大きな中庭が現れた。自然と一体化したその家は、まるで南国リゾートのようである。ご存知、デザインプロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

スリランカ旅行を契機に……

高い木のある芝生の庭を囲むように建てられた、緑あふれるOさん(50代)一家のお宅。この中庭だけでなく、2階の回廊や外構など、至る所に小さな庭が設けられている。低く伸びやかな建物、石を積み上げた壁とエスニックな木製家具の組み合わせ、大胆な動物の壁画などが相まって、どこか南国のリゾートホテルを思わせる家だ。

2階に通じる南側の芝生のスロープ。

Oさんが家を建てるきっかけとなったのは、建築家ジェフリー・バワの自邸を訪れたスリランカへの旅。熱帯の緑豊かな環境で、家の内と外との境界が曖昧なバワ氏の建築に接し「開放的な半屋外の空間が存在し、時にはそこに雨が降り注ぐ光景に驚きました。私は雪国で生まれ、家というのは高気密高断熱のものだと思って育ったので」と話す。それまで家を建てることに魅力を感じず、東京では20年以上もマンション暮らしだったが、この旅を契機に家を持つことに決めた。

Oさんは、温暖な静岡県のとある町に、相応しい土地をみつける。かつては森林だったエリアを区画整備した敷地で、「電線が埋設されているので、空を見上げても遮るものが無くて美しい」ことも、選ぶ際の決め手となった。

玄関扉を開けるとこのアウトドア・リビングに。ストーブ横の壁には壁画が。山形県で活動する古田和子の手によるもので、かの地にはその昔、牛が背中で山火事を消して回ったという伝説がある。奥の庭の植物の間にも動物の壁画が。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement