2024.07.16

CARS

マルチェロ・マストロヤンニに抱かれているみたい 2008年型マセラティ・クアトロポルテSのテスト・リポート こんなに楽しいV8サルーンはない!

マセラティ・クアトロポルテSの2008年モデル試乗記

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2008年9月号に掲載されたマセラティ・クアトロポルテSの国際試乗会のリポートを取り上げる。イタリアはモデナからの熱風は、430psのマゼラーティ・クワトロポルテS。2008年に初のフェイスリフトで新加入した、この高性能版を駆り、オーストリアはザルツブルク周辺の山岳地帯でいちばん乗りしたインプレッション。大型4ドア・サルーン界にトライデントの新たな神話が生まれたのか!?

フェラーリの4ドア

テスト・ドライブ出発地点のホテル・ザッハーを出て、ザルツブルクの市内を走り始める。アルプスの渓谷にある古都ゆえ、道が込んでいる。フロントのV8エンジンが控えめな鼓動を伝えてくる。どくん・どくん・どくん。どくん・どくん、と胸を高鳴らせているのは私だ。まるでフェラーリに乗っているときみたいに胸騒ぎがする。マセラティがフェラーリ傘下にあった時代に開発されたこのクルマ、いわばフェラーリの4ドアなのである。

コーナリング・ショット。ロールは軽微。


マセラティは06年にフェラーリから離れ、再びフィアット・グループ入りして現在に至っている。販売は好調で、07年に発表したクワトロポルテ・オートマチックと新型2ドア・クーペのグラントゥリズモがそろった今年の上半期は4581台を出荷、前年同期比42%ものプラスを記録したという。03年以来、右肩上がりの生産台数は08年、過去最高の9000台に達する見込みだ。

数週間前にはクーペの高性能版、グラントゥリズモSが発表されたばかり。続いてクワトロポルテのフェイスリフトである。マセラティはいま、イケイケどんどん状態。こんなに矢継ぎ早に新車熱風を吹き出せるのは、フェラーリ、マセラティ、アルファ・ロメオのイタリア高級車ブランド同士で、VWグループみたいなプラットフォームとパワートレインの共用を実現し、開発速度を驚異的に速めているからである。

ンテリアではセンター・コンソール周辺をリデザインし、スイッチ類を集中。


内外装の小変更を除くと、フェイスリフトの目玉は4.7リッターのクワトロポルテSである。従来の4.2はそのまま残り、メルセデスS550L、アウディA8L、BMW750Li、ジャガーXJ8Lなどを直接のライバルとする。クワトロポルテSは、前述のラグジュアリー・セダン群の上位にあって、S63AMGやE63AMG、あるいはS8、XJR等のハイパー・スポーツ群に近いけれど、S600Lをはじめとする12気筒フラッグシップ群も視野に入れている、と自らを位置づける。

ドライバーズ・シートはより快適で、より人間工学的に改良された。実際、疲れない。


排気量と馬力で見てみると、S550は5.5リッターで388ps、750は4.8リッターで367psである。クワトロポルテSは4.7リッターで430psだから、ことパワーに関してラクシュアリー・サルーン群では突出している。ところがS63AMGの6.2リッター、525psやM5の5リッター、507psと較べると圧倒的に非力。それでいてクワトロポルテのイメージはスポーティ&ラグジュアリーなのだから、独特の立ち位置といえる。これもイタリア製であるゆえ、フェラーリ製エンジンを持つがゆえだろう。

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