2024.09.09

CARS

至宝の 5.2リッターのV10を搭載! ガヤルドLP560-4スパイダーは、どんなランボルギーニだったのか? 運転は決してやさしいクルマではない!

ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4スパイダー

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ご存じ中古車バイヤーズ・ガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の過去の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2009年6月号に掲載されたランボルギーニ・ガヤルドLP560-4スパイダーのリポートを取り上げる。ガヤルドLP560-4クーペのデビューの1年後に登場したスパイダー。その国際試乗会の舞台に選ばれたのは、大西洋に浮かぶスペインのカナリア諸島。オープン・エアとワインディングを同時に楽しむには絶好の南の島からのリポートだ。

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リッター107psを超える560ps

大西洋に浮かぶ常春のリゾート、スペイン領カナリア諸島。そのなかでも最大の面積と1番高い山を持つテネリフェ島が、今回の新型ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4スパイダーのお披露目の舞台だった。

ホイールベースは旧型と同じ。全長が若干伸びたのは、フロント・バンパーまわりの形状が変更されたためか。アルミ・スペース・フレームを使ったオール・アルミ・ボディを持つクーペに対して、スパイダーはルーフ格納時に開くエンジン・フードがカーボンに変更されている。


昨年のLP560-4クーペの国際試乗会はアメリカのラスベガスで開かれた。巨大なオーバルと小さなインフィールドのコースを持つラスベガス・モーター・スピードウェイを思う存分走り回ったのを思い出す。

一方、テネリフェには、むろんサーキットはない。しかし、その代わりにスペインの最高峰となる標高3718mのテイデ山に向かうワインディングがあった。オープン・エアの快適性とスーパー・スポーツのパフォーマンスを同時に体験するには絶好の環境である。しかも、宿泊先は超豪華リゾート・ホテル。ランボルギーニのツボを押さえた粋な計らいに感謝しなければなるまい。

試乗当日、ホテル正面の駐車場には色とりどりのガヤルドLP560-4スパイダーが並べられていた。最近日本のみならず世界中で流行っているという白だけでも、純白とパール、マットの3種類があったし、そのほかにもレモンのようなイエローやメロンのようなグリーンなど、スパイダーにふさわしい軽やかな色が豊富に用意されているのがうれしい。そのうちの1台に乗り込んでキイをひねると、ブォォーンと派手な雄叫びを上げて運転席の背後に縦置きされた5.2リッターV10ユニットが目を覚まし、獣の唸り声のような低いアイドリング音をたて始めた。

基本的なインテリアのデザインは旧型から不変。ただし、ナビ画面の下にズラリと並ぶトグル・スイッチが、LP560-4同様、クラシカルな銀メッキを施されたようなルックスのものに変更された。


昨年のLP560-4クーペともにデビューしたこの新ユニットは直噴化されたヘッドや12.5まで高められた圧縮比を持ち、リッター107psを超える560psを8000回転で発生する。車名の「560」の由来である。ちなみに「LP」は、エンジンの搭載位置を表す「縦置き、後方」を意味するイタリア語のイニシャル。「4」は4輪駆動であることを示している。ビスカス・カップリングを使った4駆システムは通常時30対70の割合で前後輪にトルクを配分。トランスミッションは6段マニュアルのほか6段セミATのeギアもオプションとして用意されており、今や世界中のオーナーの大多数が後者を選んでいるという。

そのほかに特筆すべきは、前後ダブルウィッシュボーンの足回りがリファインされたこと。そしてパワーアップしながら約20kgも軽量化されたことで、その結果、0-100km/h加速は旧型よりも0.3秒速い4秒ジャスト、最高速は324km/hというのがメーカー公表値だ。しかも、CO2の排出量は旧型より18%も低減しているという。

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