2024.02.16

CARS

運転席に座った瞬間、ゴルフとはまったく違う性質のクルマであることを悟らされる! よみがえったシロッコは、どんなVWだったのか?【『エンジン』蔵出しシリーズ/VW篇】

フォルクスワーゲン・シロッコ

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道路を抱きながら走る感覚

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エンジンをかけた瞬間から、コクピットに低い迫力のある排気音が響いてくる。かつて長期リポート車として乗っていたゴルフVのGTIも迫力のある低音を響かせながら走ったものだが、これも音に関しては相当な演出が施してあるようだ。

走り出してまず感じるのは、ワイドなトレッドと低い重心からくるどっしりとした安定感。ランボルギーニ・ガヤルドやアウディR8ほどではないけれど、まるで道路を抱きながら走る感覚だ。

前席の着座位置はかなり低い。後席は完全2座で中央に寄せてある。


タイヤは18インチのヨンマル偏平を標準装備する。足は相当固められているはずで、乗り心地がかなり悪くなってもおかしくないのだが、ダンパーの減衰力や電動パワー・ステアリングの特性を電子制御するアダプティブ・シャシー・コントロールのDCCが標準装備されているおかげで、ノーマルかコンフォートを選んでいる限りは特別な硬さは感じられない。

速い。アクセレレーターを深く踏み込むと、湿式デュアル・クラッチの6段DSGのギアが一足飛びに低められて、気持ちよい排気音を響かせながら加速する。

前者は乾式の7段DSG、後者は湿式の6段DSGと組み合わされ前輪を駆動する。全長×全幅×全高=4255×18 10×1420mm。ホイールベース=2575mm。車重=1340kg/1360kg。車両本体価格はTSIが392万円、2.0TSIが447万円。


特筆すべきはハンドリングの良さで、ステアリングを切り込んでいった時のノーズの動きはシャープだが、リアがすこぶる安定しているから、かなり攻め込んでも破綻を見せることがない。スタイリングからくるイメージ通りの、心躍るハンドリングの持ち主なのだ。

次に1.4リッターのTSIに乗り換えると、こちらは排気音などの演出が控えめでトゥ・マッチな感じがなく、それでいて十分に速いのに感心させられた。むろん心躍るハンドリングは同じで、誰が乗っても特に肩肘張ることなく、スポーティでいいクルマだなあ、と感じさせるクルマづくりの巧みさでは、むしろ2リッターよりこっちが上かも知れない。ひとつだけ残念だったのは、タイヤがひとまわり小さな17インチのヨンゴー扁平になっているにもかかわらず、乗り心地はこっちの方が硬かったことだ。アダプティブ・シャシー・コントロールのDOCが装備されないからで、これはぜひオプションでもいいから選べるようにして欲しいと思った。

文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

(ENGINE2009年7月号)

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