2024.06.26

CARS

ベスト・ラップは08後期モデルのマイナス1秒か?! 日産GT-Rの09年モデルに試乗したあの時、テスターの大井貴之さんは何を語ったのか?

日産GT-Rの09年モデルに大井貴之さんが試乗

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2009年2月号に掲載した日産GT-Rの2009年モデルのリポートを取り上げる。発売から1年。08年9月にニュルブルクリンクで開発された新しいサスペンション・セッティングを得た09年型GT‐Rを大井貴之さんが仙台ハイランドでテスト。果たしてその内容とは?

08後期モデル


480psから485psへ! 国産車でこんな数字を語る日が来るとは、夢にも思っていなかった。発売からちょうど1年、日本のフラッグシップ・スポーツである日産GT‐Rはさらなる進化を遂げた。

485psにアップしたのは、つくり込みで3.8リッターV6ターボの実力馬力が上がったため、届出値を修正。ニッポンの「匠」恐るべし。


試乗のために訪れたのは、GT‐Rの開発に使われたホーム・コース、仙台ハイランドレースウェイ。仙台西部の山間につくられたサーキットは紅葉が始まった山々に囲まれ、思わず深呼吸でもしたくなるような穏やかな風景。しかし、ピット周辺の空気は和やかな試乗会場ではなく、GT‐Rの開発現場に飛び込んでしまったような緊張感が溢れていた。

通常、開発チームはメディアが試乗する前日などにテストしている場合が多いのだが、お構いなしの同時進行。これが水野流か?

まずは基本、ということで08後期モデルから試乗をスタートしたのだが、あらためてこの進化に驚いた。

08前期モデルは、発売直後にデリバリーされた初期型のオーナー・カーを富士スピードウェイで2度走らせたことがあるが、2台とも印象は同じ。ストレートはびっくりするくらい速い。しかし、そのハンドリングはしなやかさに欠け、スイート・スポットの狭いクルマだった。世界でもトップ・クラスに路面がよい富士スピードウェイで唐突な挙動を示すクルマを、日本一路面が悪い仙台ハイランドで走らせたら苦労するに違いない。そう覚悟をして慎重にコースインしたのだが、08後期モデルは前期モデルとは別物と言えるほどちゃんと走った。

仙台ハイランドレースウェイで約1秒タイムを短縮したという09GT-R。インテリアに変更はなし。


ステアリング・インフォメーションは格段に向上。強烈なブレーキングからコーナリングへの繋がりもドライバーの狙い通り。08前期は唐突なグリップ変化が発生するため急激にVDCが介入し不快に感じたが、それがない。おそらくラップ・タイムで1秒強はアップしている! 何よりも、操る楽しさが味わえるクルマに進化していた。

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