2024.06.26

CARS

ベスト・ラップは08後期モデルのマイナス1秒か?! 日産GT-Rの09年モデルに試乗したあの時、テスターの大井貴之さんは何を語ったのか?

日産GT-Rの09年モデルに大井貴之さんが試乗

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「brembo」から「NISSAN」へ

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そして09モデル。08モデルは、車体番号以外で前期と後期を見分けることは出来ないが、08と09はいくつか見分けるポイントがある。

まず、ナンバー・プレートのマウントが廃止され、バンパー直付けに変更された。そして、ブレーキ・キャリパーのロゴが「brembo」から「NISSAN」に変更された。といってもブレンボ製が日産内製に変更されたわけではなく、ロゴが変更されただけ。ポルシェやフェラーリと一緒になったってことだ。

あとは、ボディ・カラー。ブリリアント・ホワイト・パールが追加され、特別色のアルティメイト・メタル・シルバーは磨き工程を増やし質感を向上。ホイール色も変更された。

性能的な数字で変わっているのは、最高出力が480ps/6400rpmから485ps/6400rpmへと5psアップしたこと。そして燃費が8.2km/リッターから8.3km/リッターへと0.1km/リッター向上。これは吸排気系を見直したなどというパーツの変更ではなく、生産精度の向上に合わせコンピューター制御の精度を上げた結果なのだという。もうひとつ、燃料タンクの容量が3リッター程度アップしている。これは航続距離を伸ばすためではなく、形状改良の結果と思われる。

そのほかプレス・リリースでは、新構造ショック・アブソーバーの採用やフロントのバネレート・アップを含むサスペンション・セッティングの改良程度のインフォメーションに留まっているが、水野さんによると、ジオメトリーも変更されている。

足回りは、北米仕様/08後期で若干硬くしたが、09はさらに硬くなっている。しかし、つくり込みでボディ剛性が上がっているため乗り心地はよくなっている。フロントのナンバー・プレートをバンパー直付けにすることで全長が20mm短くなり、ニュルで4km/hアップ。価格は84万円高の861万円から。4月発売予定の欧州向けもこの仕様となる。


走り出してみると、ピット・ロードを走っただけで確かな違いを感じた。ハイランドの荒れたピット・ロードの、特に路面の悪そうな場所を走らせていたのだが、08後期よりさらにしなやかな印象。09モデルでは電子制御ダンパーの「コンフォート」と「スポーツ」の違いを従来よりもわかりやすくしたとのことだが、このときはスポーツ・モード。09モデルのしなやかさは、足の動きがよくなり、タイヤの接地性が上がったことによるものに違いない。

5psのパワーアップは480psの1%にすぎないが、体感イメージは20ps郡アップ! 夕方になって次第に外気温が低下してきたことも速さに繋がったのかもしれないが、0.05~0.1くらいブーストを上げたような気持ちよさ。

最高に気持ちよくなったのは、コーナリング! 08後期モデルよりさらに懐が深くなった印象で、コーナー進入の姿勢もつくりやすくなったし、08モデルではピーキーだったコーナリング中のアクセルON/OFFに対する挙動変化もマイルド。

なによりも立ち上がりのトラクションが格段に向上した。突っ張っていたダンパーやスタビを緩めたような印象だ。イメージとして、ベスト・ラップは08後期モデルに対してマイナス1秒は固い。しなやかになった足回りはタイヤに優しいため、コンスタント・ラップを較べたら大きなタイム差が出るに違いない。

文=大井貴之 写真=望月浩彦

(ENGINE2009年2月号)

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