2024.02.25

CARS

13年ぶりに新型ランチア・イプシロンが登場 EVとなった3代目は日本市場にも導入されるか!?

イタリアの名門であるランチアは何度となく冬の時代を過ごしながらも、現在はステランティス傘下に収まり、2030年までの電動化戦略のレールに乗ることで電動化時代も生き抜くことになりそうだ。2026年以降の新型車はバッテリーEV(BEV)になるとアナウンスされている。

2024年から欧州に再進出

一時、イタリア国内市場に向けにだけ販売を続けていたランチアだが、2024年前半から欧州に再進出し、今後は主要都市に70拠点以上のディーラーを新たに展開する予定だ。2024年中頃にベルギーとオランダ、次いでフランスとスペイン、2025年にはドイツに再進出する見込みとなっている。



アーリーアダプターを取り込む

そして、そのランチアを近年支えてきた「イプシロン」のニューモデルが約13年ぶりにイタリアで披露された。メインターゲットは40〜45歳を中心とした年齢層で、環境への関心の高さはもちろん、スタイリングや技術革新に興味を持つアーリーアダプターと呼ばれる層を取り込む構えだ。



ランチア初のEV

ランチア初の電気自動車=バッテリーEV(BEV)となる新型イプシロンはプレミアムBセグメント市場に投入される。115kW(156ps)/260Nmの電動パワーユニットと容量51kWhのバッテリーを搭載。WLTP複合サイクルでの航続距離は最長403kmで、20%〜80%までの急速充電は24分で完了するという。10分の急速充電でも100kmの走行が可能で、電費は100kmあたり14.3~14.6kWh=6.8~7.0km/kWhとなっている。スペックはすでに日本に上陸しているシトロエンE-C4とほぼ同値だ。

また、ハードウェアとソフトウェア、充電サービスが統合された「Free2Move Charge」が用意されている。家庭用充電システムの設置や保証のほか、充電スポットの利用がより容易になるなど、BEVにつきまとう充電や電欠への不安を払拭するサービスも提供される。

そのほか、装備では10.25インチの大型センターディスプレイ(Android Auto/Apple CarPlayを搭載)とメーターパネルのほか、パーキング・アシスト、レベル2のドライバーサポート機能などを標準で用意する。



カッシーナ仕立ての内外装

また、特別仕様車の「エディツィオーネ・リミタータ・カッシーナ」が設定されるのもトピックス。イタリアのモダン家具メーカーであるカッシーナとコラボした1906台の限定車で、お察しのとおり、ランチアの創業年を記念とした限定台数とされた。

ブルーを基調としたインテリアには、カッシーナとのコラボで仕立てられたシートやダッシュボードをはじめ、ドアパネルとダッシュボードの加飾などを用意。イタリアン・デザインの邸宅を彷彿とさせる本格的な「ランチア・リビングルーム」を享受できるほか、初採用されるカッシーナの「タボリーノ」によりスマホの充電もできる。

内装でユニークなのが筒状のパスタである「カネロニ」をイメージしたベルベット生地のシートやテーブルなどで、カッシーナの名にふさわしい上質な空間に仕立てている。シートのバックレストには、100%リサイクルされた糸のリブ編みとダブルステッチのベルベットが配されていて、残りのシート構造にはリサイクルPVCを採用した。



サブスク・プランを設定

イタリアでは頭金9800ユーロ(約158万円、EU4までの適合車両を下取りするための政府のサポート含み)+月々200ユーロ(約3万2000円)×35か月で新型イプシロンを3年間使用できるファイナンシャル・サービスを設定。このプランには「Free2Move Charge」の充電サポートサービス内の家庭用充電ソリューション「Easy Wallbox」や3年30,000kmの保証が含まれる。3年後は車両を返却となるが、2万2854ユーロ(約368万円)の残価を支払えばそのまま継続して使用することが可能だ。

なお、新型ランチア・イプシロンの日本への導入の有無や価格などは未定となっている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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