2024.03.05

CARS

トンネルバックがカッコイイ マクラーレンのPHEVスポーツ、アルトゥーラに開閉式ハードトップのスパイダーが登場

マクラーレン・アルトゥーラは「750S」と「GT」の間を埋めるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)スポーツで、「570S」のバトンを受け継ぐ役割を担っている。今回、先に登場したクーペ・モデルに続き、「ハイパフォーマンス・ハイブリッド・コンバーチブル」を謳うリトラクタブル・ハードトップ(RHT)仕様が発表された。なお、このRHT仕様は2025年モデルになる。

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11秒で開閉が完了

新型スパイダーはクーペと同様に、「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)」と呼ぶプラットフォームをベースにしている。電動式リトラクタブル・ハードトップは11秒で開閉が完了し、50km/h以下であれば走行中でも操作ができる。信号待ちでの開閉も現実的だろう。停車時は車両のキーでも操作できるため、車外からでも開閉が可能だ。



フロントまわりはクーペと同意匠

エクステリアは「シュリンクラップド」(包装)を想起させるシルエットで、最大の特徴である「ハンマーヘッド」ノーズとフロント・フェンダーと一体化されたルーバー、ヘッドライトのエア・インテークなどクーペで提示されたデザインとディテールがそのまま与えられている。

ドアはクーペと同じ上開き式のディヘドラル・ドアで、スーパースポーツカーに求められるカッコのよさだけでなく、ドアの軌道がボディに沿って開くように設計されているため、狭い場所でも楽に乗降できる。



ルーフはカーボン製

RHTは1枚パネルのカーボン・ファイバー・コンポジット製だが、透過率が調整できるガラス・ルーフを備えたエレクトロクロミック・ガラスパネルもチョイスできる。後者はボタンひとつで室内を明るくしたり、日差しを最大99%遮ることが可能だ。

RHT化に伴い、リア・ピラー後方のバットレス、いわゆるトンネルバックと呼ばれるロールオーバー構造が組み込まれた。両バットレスの間にあるヒーターガラス付リア・スクリーンはボタンひとつで昇降。オープン時の風の巻き込み量を調整できるほか、スクリーンを開けたまま屋根を閉めることでキャビンにエグゾースト・サウンドを響かせるといった使い方もできる。

さらに、RHTとそのメカニズム、さらにトノカバーを収めるため、パワートレインの冷却ベントをクーペよりも後方に配置。ルーフの開閉と連動して位置が代わるトノカバーは軽量なカーボン・コンポジット製で、オプションでグロス・カーボン・ファイバー仕上げを選択することもできる。



新デザインのアルミホイール

アルミホイールは新タイプの15本スポークのシルバー仕上げを標準装備。加えて、新たにゴールドの「オールム」仕上げと、「ダイナモ」と「スター」の両デザインから選択ができる。なお、「スター」のデザインは全フィニッシュから選択が可能だ。

またオプションで「キャリバー10スポーク・スーパーライトウェイト」を追加。これは「シルバー」、「ダークステルス」、「グロスブラック」の各仕上げからチョイスできる。オプションで全ホイールがチタン製ホイールボルトを選択でき、バネ下重量を約0.4kg減らすことができる。



クーペより20psアップ

搭載されるパワートレインは3.0リッターV6ツインターボとモーターの組み合わせで、システムトータルでの最高出力は700ps(690bhp)、最大トルクは720Nm。最大トルクはクーペと同じだが、最高出力は20psの向上を果たしている。0-100km/h(0-62mph)加速は3.0秒、最高速は330km/h(205mph)で制限されるのはクーペと同じだ。

2025年モデルでは、デュアルクラッチ式トランスミッションである8段SSGの制御も変更された。より素早いギアチェンジを可能とするプレフィル機能が新たに搭載され、変速レスポンスが25%向上している。

2025年モデルとなるRHT仕様ではドライバビリティの進化も盛り込まれている。新開発のパワートレイン・マウントが開発され、パワートレインの制御が向上。とくに、大きな荷重がかかった際にパワートレインの動きがより制限されるため、走行安定性や操舵フィール、車両の俊敏性が高まり、ドライバーとの一体感が増したという。



シャシーにも改良を加える

乗り心地とハンドリングも改善したという。ダンパーのバルブの改良によって応答性が向上。「ドメイン・コントロール・ユニット」(DCU)の性能も強化され、減衰とハンドリング・レスポンスが最大で90%高まったことで、路面からのインフォメーションが伝わりやすくなり、路面変化への対応も素早くなったとしている。

また、インパネ上部にある2つスイッチから選択できるハンドリング・モードは3種類を設定、ダンパーのセッティング変更によりボディ制御のレベルを向上。デフォルトは「コンフォート」で、「スポーツ」と「トラック」はサポートが強まる。

パワートレインのモードは、「コンフォート」、「スポーツ」、「トラック」、そして、デフォルト・モードであるモーター(EV)走行の「Eモード」の4つを設定。なお、一充電あたりのEV航続距離は33km(21マイル)となっている。



運転支援装置も充実

インフォテイメントシステムではタッチスクリーン式HDインフォテインメントを搭載。先進運転支援システム(ADAS)の設定が可能なほか、「Apple CarPlay」をサポートするスマートフォン・ミラーリング機能が標準装備されている。そのほか、ワイヤレス充電器がオプションに追加されたことで利便性も向上した。

先進安全装備では、斜め後方からの接近車両を知らせる「ブラインドスポット・モニタリング」、後退時に接近車両などを知らせる「リア・クロス・トラフィック・ディテクション」が新たに追加され、道路標識認識機能である「ロードサイン・レコグニション」と車線逸脱警報である「レーン・デパーチャー・ウォーニング」も標準化されている。



ボディ・カラーの選択肢を拡大

新型スパイダーのボディ・カラーはアルトゥーラ初採用のカラーも含めて選択肢が拡大したのも朗報だ。標準の5色に加え、「エリート・ペイント」と呼ばれる20色を設定。さらに18色の「MSOカラー」からも選べる。

英国本国の価格は標準仕様が22万1500ポンド(約4197万円)から。インテリアは標準以外に3タイプが用意され、5050ポンド(約96万円)の追加で選択できる。日本への導入時期や価格は現時点では明らかにされていない。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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