2024.04.27

CARS

これがマクラーレン・アルトゥーラに乗ったモータージャーナリストの渡辺慎太郎の本音!「自然で無駄な動きが一切排除されたハンドリングは秀逸」

マクラーレン・アルトゥーラに渡辺慎太郎さんと清水和夫さんが試乗

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ミドシップにバンク角120°のV6.3リッターツインターボを搭載し、電動モーターを組み合わせて8段DCTで後輪を駆動する、マクラーレン市販車初のPHEVモデル、アルトゥーラに乗った清水和夫さん、渡辺慎太郎さんは、思わず本音を叫んだ! 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗!


「ハンドリングは相変わらず秀逸」渡辺慎太郎

マクラーレンのどのプロダクトに試乗してもいつも最初に感心するのはその乗り心地である。

自分の(たいしてあてにならない)記憶に刻まれているミドシップのスーパースポーツカーの乗り心地とはおよそかけ離れたところにあって、下手なセダンよりもずっと乗り心地がいい。この快適性を司るプロアクティブ・ダンピング・コントロールのシステムだけ、あのメーカーやそのメーカーにいっそ売ったらいいのにと思うほどだ。

マクラーレンの他モデル同様、シンプルなコクピット。ステアリング・ホイール上にスイッチは付いていない。インパネ中央には縦型のタッチ・スクリーンとシフト・スイッチが並ぶ。運転席・助手席ともにシートはバケット形状だ。フロントのボンネット下には容量150リッターのラゲッジが備わる。モノコックはカーボンファイバー製

パワートレインはV6とモーターを組み合わせたPHEVで、モーターのみを駆動させるEV走行も可能。

その最大航続距離は約31kmで控え目となっていることからも、メルセデスAMGのEパフォーマンスのように環境問題に対する社会的責任と、スポーツカーメーカーとしての期待に応える責任を共に果たそうとしているように窺える。

低速域でモーターを上手く使う手法は最近では珍しくなくなってきたが、振動の抑制には最適なバンク角120度のV6のスムーズさとのマッチングはお見事。

そしてあくまでも自然で無駄な動きが一切排除されたハンドリングは相変わらず秀逸だった。




「紳士が乗るスーパーカー」清水和夫

フェラーリがV6エンジンのPHEVで楽しさを再定義したように、マクラーレンも同じコンセプトでアルトゥーラを開発した。

まるで示し合わせたように、同じ120度バンクのV6とモーターの競演はこれからのハイエンドのスポーツカーにとっては重要なシステムだと言わんばかり。

モーター・スポーツの世界はバッテリーの使い方で勝負が決まるとエンジニアの士気は高い。

ということで、むしろマクラーレンはメルセデスのフォーミュラE(FE)のチームを引き継ぎ、2023年からFEに参戦しているし、バッテリーやインバーターをソフトウェアで支配することが、これからのスポーツカーには欠かせないと考えている。

アルトゥーラのシステム出力は680psとやや遠慮気味だが、720Nmの最大トルクでフル加速するとやはりアドレナリンが湧きでてくる。

思うに、英国のスポーツカーはパッション優先ではなくアンダーステイトメント的で、紳士が乗るスーパーカーの雰囲気を持っている。イタリアン・スポーツがレコードのA面ならブリティッシュはB面的だが、さりとて孤高な存在だった。

アルトゥーラは、ミドシップにバンク角120°のV6・3リッターツインターボを搭載し、電動モーターを組み合わせて8段DCTで後輪を駆動する、マクラーレン市販車初のPHEVモデル。エンジンのパワー&トルクは585ps/585Nm、電気モーターは95ps/225Nmである。走行用バッテリー容量は7.4kWhで、電気のみで31kmの走行が可能だ(WLTCモード)。全長×全幅×全高=4539×1913×1193mm。ホイールベース=2640mm。乾燥重量=1410kg。車両価格=3070万円。


写真=茂呂幸正

(ENGINE2024年4月号)

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