2024.05.24

CARS

あなたはオープン派、それともクーペ派? ポルシェのミドシップ兄弟、718ボクスターと718ケイマンを島下泰久が乗り比べる できるなら、2台とも欲しい!!

ポルシェのミドシップ兄弟、718ボクスターと718ケイマンを乗り比べる!

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ポルシェを代表するハンドリング・マシン、718ボクスターと718ケイマンをモータージャーナリストの島下泰久が試乗。どちらも際立ったキャラクターの2台。さて、どちらを選ぶのか?


車名の違いには意味がある?


オープンとクーペの両方が揃うモデルは大抵、まずクーペがあり、それをベースとしてオープンが作られる。そんな中で数少ない例外がポルシェ718シリーズである。



ルーツは1995年にデビューしたポルシェ・ボクスター。まだ911が空冷のタイプ993だった時代に登場した、水冷エンジンをミドマウントするオープン・ロードスターだ。ハードウェアの基本部分を同じくする固定ルーフのクーペ、ケイマンが発売されたのはボクスターが2世代目へと移行した後のこと。そして、これらは初代ボクスターから数えて3世代目となる現行モデルの後期型で718シリーズとして統合されて今に至っている。

考えてみれば、単なる718シリーズのルーフのバリエーション違いではなく、それぞれに718ボクスター、718ケイマンと別の車名が与えられているのも特徴的だ。ケイマンの登場当初にはエンジン・スペックに敢えて差がつけられていたが、現在は両車共通である。それでも車名を分けていることには、きっと意図、意味があるはずだ。

今回の比較は、そんなことを念頭に置きながら始めることとした。試乗車はいずれも素のモデルをベースにする特別仕様車のスタイル・エディションで、水平対向4気筒2.0リッターターボを搭載する。718ケイマンは6段MT、718ボクスターは7段PDKとの組み合わせだ。


濃密な一体感

まずは718ケイマンに乗り込む。思わず身構えたのは、クラッチ・ペダルが結構重く、しかもアイドリング付近のトルクが極細だという以前の記憶が甦ってきたからだが、実際には心配したほどではなくスムーズに走り出すことができた。デビューからそれなりの年月が経ち、多少は改良されたということか。これならストップ・アンド・ゴーの繰り返しだって大丈夫だ。

外装もグレーとブラックの組み合わせで仕立てられた718ケイマンはスポーティな印象を受ける。


それでも本領発揮は、やはりある程度スピードが乗ってきてから。回転計の針が半分を過ぎる頃からは元気いっぱいで、ややザラついたビートを響かせながら弾けるようにトップエンドに向け駆け上がる。パワーバンドをキープするにはこまめな変速が必要だが、それもまた楽しい。

シフト・フィールはカチッとした節度があって、操作自体に歓びがある。走り出しでは重く感じたクラッチ・ペダルやステアリングの操舵力が、速度が高まるにつれて、すべてしっくり来るようになっているのは、いかにもポルシェ。ミドシップらしい自分を中心に旋回していくような感覚と相まって、クルマとの濃密な一体感を味わえる。

インテリアはオプションのカーボン・インテリア・パッケージにより、各部のパネルがスポーティなカーボン仕様になる。


718ケイマン・スタイル・エディションの試乗車は6段MTモデルで、フル・レザーのスポーツ・シートが装着されている。

それでいて快適性もまた高いのが718ケイマンである。大きな開口部のテール・ゲート付きでもボディの剛性感は十分に高く、20インチタイヤからの入力を難無く受け止める。試乗車はPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメント)付きだったから、その恩恵も大きいはず。長距離を行くのでも、あるいは同乗者が居る際にも、乗り心地に不満を抱くことは無いはずだ。


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