2024.07.15

LIFESTYLE

狭い入り口はまるでドラえもんのどこでもドア 玄関扉の向こうに広がる驚きの世界 旗竿地の狭小住宅を広々空間に変えた秘密とは?

最も高い所で5mを超える天井高のリビング・ダイニング

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良い家がもたらすもの

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そもそもこの家の前は、埼玉県のマンションで暮らしていたYさん一家。2人の子供が成長して手狭になったので、家作りをすることにした。最初は「ハウスメーカーの家も見学しましたが、望んでいる家ではない」と、方向修正。ネットで調べて何人かの建築家に話を聞いた。さらに彼らが設計した住宅を実際に見学し、「できれば、このまま同じ家を作って欲しい」と強く心を惹かれる家に出会う。建築家の阿蘓俊博さんが実兄のために手掛けた、「朝霞の家」である(エンジン2021年11月号に掲載)。

たしかにYさん一家の家族構成は、阿蘓さんのお兄さん家族と一緒の、夫婦と子供2人。しかし、敷地の形やサイズが違うので、同じ家を別の場所に建てることは不可能である。そこで朝霞の家をベースに、敷地を考慮しながら、Yさん一家の暮らしに合うよう設計し直した。

こうして完成した我が家を、「見栄えが良いだけでなく、収納が多く実用的な点も気に入っている」と評するYさん夫妻。この家で暮らし始めて2年弱になるが、この間、Yさんの暮らし方は大きく変わったという。自宅で働く自由業のため、かつてはメリハリなく遅くまで仕事をすることも少なくなかった。ところがこの家は、寝室に朝日が差し込むので、自然と早くに目が覚める。そこで朝型に変えてみた。起きたらすぐに仕事を始め、昼は夫婦でランチの美味しい店に出かけている。近くなら自転車で、時にはクルマで少し遠くへ行くことも。なんとも素敵なライフスタイルではないか。良い家は、人の生き方をより充実したものに変える。

文=ジョー スズキ(デザイン・プロデューサー) 写真=田村浩章





■ 建築家:阿蘓俊博 1976年東京都生まれ。日本大学大学院理工学研究科建築学修了後、ツナミデザイン一級建築士事務所勤務を経て、自身の事務所アソトシヒロデザインオフィスを設立。個性があるうえ使いやすい住宅の設計に定評がある。2021年11月号のエンジンでも紹介した写真の「朝霞の家」は、人気の住宅。多くの建築賞も獲得している。この4月より、母校である日本大学理工学部建築学科の非常勤講師となった。


■ジョースズキさんのYouTubeチャンネル、最高にお洒落なルームツアー「東京上手」!
雑誌『エンジン』の大人気企画「マイカー&マイハウス」の取材・コーディネートを担当しているデザイン・プロデューサーのジョースズキさんのYouTubeチャンネル「東京上手」。建築、インテリア、アートをはじめ、地方の工房や名跡、刺激的な新しい施設や展覧会など、ライフスタイルを豊にする新感覚の映像リポート。素敵な音楽と美しい映像で見るちょっとプレミアムなルームツアーは必見の価値あり。ぜひチャンネル登録を!

◆「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」の連載一覧はこちら!


(ENGINE2024年7月号)

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