2024.07.17

CARS

クーペとスパイダー、良く売れるのはどちら? マクラーレンのセールス&マーケティングの責任者、ジョージ・ビッグスさんが語る戦略とは?

新オープンのマクラーレン横浜で日本初公開されたマクラーレン初のハイパフォーマンス・ハイブリッド・コンバーチブル、アルトゥーラ・スパイダー。左の写真の人物は左から正本嘉宏・日本代表、ビッグス氏、APAC中国担当マネージング・ディレクターのポール・ハリス氏。

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クーペに続き、スパイダーが登場したマクラーレンの新ハイブリッド・スポーツ、アルトゥーラ。その販売戦略は? マクラーレン・アルトゥーラ・スパイダーの日本初公開で来日したチーフ・セールス&マーケティング・オフィサーのジョージ・ビッグスさんにエンジン編集長のムラカミがインタビューした。

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ほぼ50対50

マクラーレン初の量産型ハイブリッド・スポーツカーとして2021年にデビューしたアルトゥーラに、「スパイダー」が加わり、4月13日に、新オープンしたマクラーレン横浜で日本初公開された。それに合わせてイギリスの本社から来日したチーフ・セールス&マーケティング・オフィサーのジョージ・ビッグス氏に話を聞く機会を得た。



“クーペかオープンか”はクルマ好きを悩ます永遠のテーマですが、マクラーレンにとって、このふたつはどんな意味を持っているのですか?

「私たちのクルマは幸運なことにすべてカーボン・ファイバー製のシャシーを使っているので、クーペでもスパイダーでも、ドライビング・ダイナミクスという点では、ほとんど変わりません。だから、あとは本当にお好み次第で、クーペを選んでも、オープン・トップを選んでも、走りについて何かを犠牲にするということがないのです。実際のところ、世界的に見ると、アルトゥーラのクーペとスパイダーの販売比率は、ほぼ50対50になっています」

えっ、そんなにスパイダーの需要が高いのですか!

「ええ、同時に両方を出した750Sは、60%以上がスパイダーになっています。クーペでもスパイダーでも走りが同じなら、オープン・エアも楽しみたいという人が多くなるのは当然だと思いますね」



では、ハイブリッドは、マクラーレンにとってどんな意味を持つのでしょうか?

「よりダイレクトにスリリングなドライビング体験を追求する750Sに対して、アルトゥーラは技術やイノベーションに対して敏感な人が選ぶクルマと言えるかもしれません。私はロンドンに住んでいますが、朝、家を出る時にアルトゥーラならまったく無音で走り出すことができるわけです。そして、街を出たらV6エンジンのエキサイティングなサウンドも楽しめる。アルトゥーラは、そういう意味で750Sよりデイリーユースにも向いたモデルと言えるでしょう。一方、750Sは週末に楽しむ人向きですね」

さて、最後に日本市場についての考えを教えて下さい。

「成熟した市場で、スーパーカーについてもマクラーレンというブランドについても、とてもよく理解してくれていると思います。だから、2011年以来、決して急がず、確実に日本でのネットワークを拡げてきました。今度の横浜のオープンで10拠点になりましたが、今後も着実に歩んでいきたいと考えています」

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=マクラーレン・オートモーティブ


ジョージ・ビッグスさん
マクラーレン・オートモーティブ、チーフ・セールス&マーケティング・オフィサー。グローバルセールスおよび地域オペレーション、アフターセールスの責任者であるとともに、オーダーメイド部門であるマクラーレン・スペシャル・オペレーションズも統括する。2012年に入社して以来、長年アジア太平洋地域で活動し、2018年にはアジア太平洋・中国地域のマネージング・ディレクターに就任。2021年には本国のコマーシャル・エグゼクティブ・ディレクターに就任した。

(ENGINE2024年7月号)

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