2024.06.27

CARS

M3と同じ480psにパワーアップ BMW M2がドイツでマイナーチェンジを実施

BMW2シリーズ・クーペと同時に、2シリーズのMモデルであるM2もドイツ本国でマイナーチェンジが実施された。

基本レイアウトはそのまま

マイナーチェンジした新型も直列6気筒やFR(フロント・エンジン後輪駆動)、6段MTの設定という方程式は健在。新型も日常使いに向くコンパクト・サイズはもちろん、公道走行とサーキット走行の両方に最適なチューニングが施されたシャシー、車両設定を個別に設定できる最先端のオペレーティング・コンセプトが採用されている。



従来型よりも20ps向上

自慢の3.0リッター直列6気筒ターボ・エンジンは、兄貴分のBMW「M3」、「M4」に搭載されているものとは細部が異なるだけで、基本的には同じユニット。従来型よりも20ps向上し、最高出力は480ps/353Nmへと高められた。最大トルクは6段MTが550Nm、8段ATが600Nmにまで増強されている。さらに、スロットルのマッピングを見直すことでレスポンスがさらに向上し、MT、ATともに素早い加速が引き出せるという。

この直6エンジンが積む「Mツインパワー・ターボ・テクノロジー」には、電子制御ウェイストゲートを備えた2基のモノ・スクロール・ターボチャージャーとインタークーラーに加え、高精度インジェクション、可変バルブ・タイミングの「バルブトロニック」、可変カムシャフト・タイミングの「ダブルVANOS」が含まれている。このエンジンには、レーシングカーの設計から得られたノウハウが数多く採用されたという。



冷却性能などサーキットでの性能もアップ

サーキット走行時の能力向上もトピックス。クローズド・デッキ構造が採用された高剛性クランクケースをはじめ、軽量設計の鍛造クランクシャフト、ワイヤーアーク溶射鉄コーティングが施されたシリンダー内部、3Dプリンターで製作されたシリンダーヘッドのコアなど、細部へのこだわりも貫かれている。

さらに、「M」モデル専用の冷却システムにより、エンジンの高負荷域でも最適な作動温度を維持。オイル回路もダイナミックな走りに対応できるよう設計されている。マップ制御のオイル・ポンプにより、強烈なGがかかっても確実なオイル供給が行われる。



0-100 km/h加速タイムは0.1秒短縮

また、8段ATトランスミッションはセレクター・レバーのスイッチでシフト特性を変更することが可能。6段MTは、ギヤ・シフト・アシスタントと連動していて、シフトダウン時にエンジン回転を合わせることでスリップのない操作を実現する。

走行性能は、0-100 km/h加速タイムが従来型よりも0.1秒短縮し、8段ATが4.0秒、6段MTが4.2秒。なお、最高速度は250km/hでリミッターが作動。オプションの「Mドライバーズ・パッケージ」を装着すると介入速度が285km/hまで向上する。



アグレッシブなシルエット

直線と曲線を組み合わせたエクステリアは、彫りの深い顔つきとアグレッシブなシルエットが特徴だ。専用のLED式ヘッドライトは、フロント・エンドの外側に向かって配置され、「BMWマルニ」へのオマージュとして、ロービームとハイビームのヘッドライトが1つずつ用意されている。また、オプションで「Mカーボン・ルーフ」を装着することも可能で、車重を約6kg軽量化するだけでなく、重心を低くすることで俊敏性の向上にも寄与。そのほか、ボディカラーの新色や新デザインのアルミホイールも設定されるなど、レーシーなムードを高めている。

インテリアでは、新しいステアリング・ホイールとシート表皮のほか、「Mカーボン・バケットシート」がオプションとして設定された。標準装備の「Mレザー・ステアリング・ホイール」は、フラット・ボトムのリムと最適化されたスポークが備わり、12時位置の赤いセンター・マーカー、ギヤ・シフト・パドル、車両設定を個別に選択するための2つのMボタンがレーシングカーのような鮮烈な雰囲気を漂わせている。加えて、「M アルカンターラ」製ステアリング・ホイールもオプション設定し、どちらにもヒーター機能がオプションで用意されている。



インパネのデザインも刷新

オプションの「ヴェルナスカ・レザー・Mスポーツ・シート」には、レッドとブラックの2トーン・カラーが追加された。さらなる軽量化が盛り込まれた「Mカーボン・バケットシート」は、パッケージ・オプションの「Mレース・トラック・パッケージ」との組み合わせだけでなく、オプション単体としても選択できるようになっている。シート表皮はメリノ・レザー製で、マルチ・ウェイ電動調整機能、取り外し可能なヘッドレスト、マルチポイント・ハーネスが備わり、快適性と高いホールド性を両立している。

さらに、インパネのデザインも刷新された。エアコン吹き出し口の新しい調整コントロールは、エア・フローの方向を調整することが可能になっている。インテリア・トリムは、「ダーク・グラファイト・マット」が標準装備され、オプションで「アルミニウム・ロンビクル・アンスラサイト」、「Mカーボン・ファイバー」、新たに「ファイン・ブラッシュド・アルミニウム」も設定されている。



OSをアップデート

コネクティビティでは、インフォテインメント装置のOSに「BMWオペレーティング・システム8.5」が搭載され、「BMWカーブド・ディスプレイ」とオプションの「BMWヘッドアップ・ディスプレイ」に備わるM専用表示は、よりスポーツカーらしいものになった。12.3インチ・インフォメーション・ディスプレイと14.9インチ・コントロール・ディスプレイからなるフル・デジタル・スクリーンは、最新のOSをベースにする「BMW iDriveコントロール&オペレーション・システム」による多彩な表示、操作が可能になっている。

温度と換気の設定なドエアコンの操作をはじめ、シート・ヒーターとステアリング・ホイール・ヒーターは、コントロール・ディスプレイ下のメニュー・オプションでタッチ操作するか、「BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタント」の音声コマンドでも操作できる。

先進安全装備では、前面衝突警告、ブレーキ制御付きクルーズコントロール、車線逸脱警告、前後のセンサー付きパーク・ディスタンス・コントロールなどが含まれている。オプションで「ドライビング・アシスタント」、ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール、パーキング・アシスタント(後退時アシスト機能付き)が用意されている。

マイナーチェンジモデルは、2024年8月より順次生産が開始され、販売台数のうち、約40%以上が欧州で販売される見込みだ。BMWでは、重要なマーケットとしてアメリカを筆頭に、ドイツ、中国、英国、日本が続くとしている。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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