2024.06.28

CARS

A110に続く、新生アルピーヌの第2弾は「ルノー5」ベースのBセグメント・スポーツEV

アルピーヌは、2024年のル・マン24時間レースにおいて、アルピーヌ初の電動モデルとなる「アルピーヌ A290」を発表した。日本での現時点の発売時期は不明だが、アルピーヌ・ジャポンは、日本導入を検討中とアナウンスしている。

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ルノー5のアルピーヌ・バージョン

A290は、2024年のジュネーブ・モーターショーでワールドプレミアされたルノーのBセグメントEV、「5」(サンク)のアルピーヌ・バージョンで、「AmpRスモール」と呼ばれるEV専用プラットフォームがベースになっている。



EV専用プラットフォームを採用

ボディ・サイズは、全長×全幅×全高=3990×1820×1520mmとショート&ワイドなフォルムで、鍛え上げられたアスリートのような筋肉質なワイドスタンスが目を惹く。

EV専用プラットフォームを用いることで、スポーティな走りに欠かせない重量配分の最適化と低い重心高、バッテリーの搭載による高剛性化が盛り込まれた。荷室容量326リッターを備え、最小回転直径10.2mという実用性と利便性を兼ね備えているのも美点だ。オールアルミニウム化に加えて、最適なバッテリー・サイズの選択により重量を1479kgに抑えている。



アルピーヌ伝統の4灯式ライトを踏襲

顔つきは、アルピーヌA110でお馴染みの4灯式ライトをモチーフにしたもので、ラリーマシンを想起させる「X」字型のアクセントが特徴になっている。さらに、アルミニウム製ルーフ・エッジやCピラーにオプションで装着できるトリコロール(フランス国旗)のバッジ、標準装備のブラック・シャークアンテナ、リア・ドアの特徴的な2本のラインなど、ディテールまでこだわりが表現されている。

各部のデザインは、空気抵抗の低減も考慮されていて、バンパーのエア・インテークやリア・ディフューザー、テールランプ、ワイドなサイドスカートは有効なエアフローを形成するという。ボディ・カラーは、新色の「アルパイン・ビジョンブルー」を含む4色展開となる。

足元には、19インチのアルミホイールを標準装備。2種類の専用デザインが用意され、「アイコニック・ホイール」は「アルピーヌA310」のホイールを参考に造形されている。もう1つは、アルピーヌのブランド名の由来であるアルパイン・ラリーを想起させる「スノーフレーク・ホイール」で、カラーは、「グロスブラック」、「セミ・ダイヤモンド・ブラック」、「ダイヤモンド・ブラック」から選択可能だ。



運転席優先のコクピット

ディープブルーを基調としたインテリアは、ドライバー・オリエンテッドなコクピットとして設計。バックライトで車名が表示される助手席側には、調整可能なアンビエント照明が装備される。

3本スポークの専用スポーツ・ステアリング・ホイールは、ナッパレザー製で、ボトムのフラット化やパイピングでスポーティなキャラを強調している。加えて、F1からインスパイアされたアルミニウム製スイッチも配され、左側には回生レベルを設定するロータリー式スイッチ、右側には各種ドライビング・モードの切り替えスイッチを備えている。上側には、赤いオーバーテイク・ボタンを配置。そのほか、ADAS(運転支援装置)をはじめ、電話、音声アシスタント、計器表示モードのコントロールも装備される。

また、10.1インチのセンター・スクリーンは運転席側に傾けられていて、高さのあるセンターコンソールにはシフト・スイッチが配置されている。シートはスポーツカーの基本要素としてA290でも入念に設計されている。日常での快適性を損なうことなく、サイドサポート性を両立。また、標準装備されるファブリックシートは、環境に配慮された素材が採用されている。



4グレード展開

ラインナップは、「GT」、「GTプレミアム」、「GTパフォーマンス」、「GTS」のグレードを設定。さらに初回記念モデルとして、4タイプ合計で1955台限定の「プルミエール・エディション」も用意される。

GTSと最上級グレードのGTプレミアムは、シートやダッシュボード、ドアパネルにディープブルーとイーブグレーのナッパレザーを使用。レザーのヘッドレストにはALPINAのエンボス加工が施され、背もたれ中央には「A290」の刺繍が施されている。



グレードに応じてモーターは2種類

フロントに収まり前輪を駆動するモーターは2種類。GTとGTプレミアムは177ps(130kW)/285Nm、GTSとGTパフォーマンスは218ps(160kW)/300Nmを発生する。トップ・モデルは、0-100 km/h加速を6.4秒でクリアする。

また、バッテリー容量は52kWhで、WLTPモードの航続距離は最大約380km。100kWの急速充電システムに対応し、30分で15%から80%までの充電、15分で150km分の充電が可能だ。11kWの交流普通充電では、50%から80%まで1時間20分で充電が可能で、10%から80%までは3時間20分で完了する。



電動スポーツカーに相応しいシャシー

シャシーは、アルピーヌのDNAである敏捷性と安定性、さらに応答性も兼ね備えたハンドリングを持つ、電動スポーツカーに相応しい仕立てになっている。低重心により自然なロールを実現。油圧式バンプ・ストッパーを採用することで、日常使いでの高い快適性を実現。マルチリンク式リア・サスペンションがタイヤの軌跡を細かくコントロールすることで、最高レベルのハンドリングをもたらす。

また、バイワイヤ化されたブレンボ製ブレーキは、十分なサイズを備え、繊細なブレーキタッチにも注力されている。回生ブレーキと油圧ブレーキの自然な移行を実現し、回生ブレーキの感触や耐久性、制動力は、A290のハイパフォーマンスに対応。フロント・キャリパーは4ピストン・モノブロックで、フロントには、アルピーヌ・ブランドの刻印が刻まれている。



3種類のミシュラン製19インチを用意

ミシュランと共同開発されたタイヤは、2年間の研究開発とテストを経て、「パイロット・スポーツ EV」、「パイロット・スポーツ S5」、「パイロット・アルピン 5」という3種類の19インチ・タイヤを用意している。2種類はサマータイヤで1種類は冬用タイヤだ。

すべてのタイヤにアルピーヌ専用マーク(コードA29)が与えられている。これらのタイヤは、航続距離をはじめ、グリップ力、ロードホールディング性を最大限化するという。ミシュランは、3種類のタイヤそれぞれに構造とサイドウォールの剛性、トレッドパターンに注力した。

パイロット・スポーツEVは、エネルギー効率が最適化されたスポーティな夏用タイヤ。グリップや耐久性、長い航続距離を兼ね備えている。パイロット・スポーツS5は、最もスポーティな夏用タイヤで、ドライ、ウエット路面を問わずその性能を最大限に引き出すように設計された。冬用タイヤのパイロット・アルピン5は、さまざまな冬路面に対応する高いグリップ力を備えている。

運転支援装置は26種もの安全装備が備わり、ドライバーの注意力監視、後退時の自動緊急ブレーキ、緊急レーン修正機能などを用意する。ステアリング左側にある「マイ・セーフティ・スイッチ」を使用すると、1 回の操作でADAS設定の好みを選択できる。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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