腕時計は身に着ける場所やライフスタイル、好みに合わせて、選択肢の幅がますます広がっています。そんな多様性の時代の時計界をリードする各ブランドの“いま”を体現するトップランナーたちを、エンジン時計委員会の8人に熱いコメントで推してもらいました! オリンピックイヤーの2024年にこそ手に入れたい1本を、『夏の時計大特集』で見つけてください。
“レトロ系クロノグラフ”のトップランナー ラボア/LEBOIS & Co
コラムホイール式のムーブや、クラウド・ファンディングで選ばれたという機能とカラーは、時計通の琴線に触れること間違いナシ!
エンジン時計委員 髙木教雄、細田雄人の推し!ラボア ヘリテージクロノグラフ
ラボアは、フランス軍用航空時計メーカーとして知られるドダーヌ社の3代目レイモン・ドダーヌによって1934年に設立された伝説のブランド。2014年、1972年の活動停止から40余年の休眠を経て復活を果たす。ヴィンテージルックの味わい豊かな航空クロノグラフが今年日本にも上陸し注目の的に。ダイアルカラーとインデックス違いで5種類のバリエーションを展開する。各モデル共通:手巻き。ステンレススティール、ケース直径39mm、50m防水。各62万7000円。『時計好きは敏感に反応する!』 細田雄人(「クロノス日本版」編集部員)簡単に“時計オタク”を炙り出してしまう恐ろしいクロノグラフ。ヴィンテージ感あふれる色づかいもさることながら、やっぱり反応してしまうのはバイコンパックス(インダイアルが2つ水平に並んだレイアウト)の絶妙な配置。これ以上インダイアルが文字盤の外周に動くとデザインの間が抜けてしまう。でもこれ以上中心に寄ると「ムーブメントのサイズが合ってないのね」と萎えてしまう。その絶妙な匙加減に反応できる人からすれば、この価格はバーゲンセールでしょう。6時位置の「ANTIMAGNÉTIQUE」の文字が、単にオリジナル準拠でプリントされているわけではなく、しっかりとISO764準拠(4800A/mの磁気にさらされても日差±30秒以内であること)である点も好印象だ。『スノッブ好みなレトロ感』 髙木教雄(時計ジャーナリスト)ここ数年来セクターダイヤルが秘かなトレンドになっている……ように、感じる。断言できないのは、他であまり語られていないから。しかし、ここ数年の新作を俯瞰すると、採用するメゾンは確実に増えている。円と斜線で織り成すデザインは、アール・デコの影響とされることが多いが、モダンデザインに移行する狭間に生まれたというのが、私的見解。時と秒・分インデックスの各エリアを円で区分けるスタイルは、視認性を高める機能美でもあるからだ。本作は、セクターダイヤルをクロノグラフで試みた好例である。さらに手巻き、2カウンター、ノンデイト、アンダー40mm……と、よくもまぁ、マニア好みないくつもの要素を上手くかけ合わせたものだと、感心しきり。撮影=宇田川 淳問い合わせ=ユーロパッション Tel.03-5295-0411
(ENGINE2024年8月号)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら