2024.07.10

CARS

フォルクスワーゲンの最量販車種はゴルフじゃない! 最も売れてるVW、ティグアンの新型が日本初披露

フォルクスワーゲンの看板モデルといえば間違いなく「ゴルフ」だが、世界的なSUVブームが続くなかで、販売状況には変化が起きているようだ。

新型で3代目

2019年以降、フォルクスワーゲンで最も売れているモデルは、主力SUVの「ティグアン」なのだ。2007年に初代モデルが誕生して以来、世界累計販売台数は760万台を突破している。今回、その3代目となる新型が、フォルクスワーゲン・ジャパンが先日開催した「Volkswagen NEW ERA」と題したプレス向けイベントで日本初公開した。



フルモデルチェンジに相応しい充実ぶり

新型ティグアンは、内外装が新しくなるのはもちろん、先進安全装備の進化や1.5リッターeTSIマイルド・ハイブリッドの初採用など、フルモデルチェンジに相応しい充実の内容になっている。

新型ティグアンは、ボンネットの位置を従来型より高くするなど、SUVらしい力強い外観になっている。Cd値が0.33から0.28に改善するなど、空力性能の向上も盛り込まれている。

ヘッドライトには従来型でも設定されていたLED式マトリックス・ヘッドライトを進化させた「IQ. LIGHT HD」を上級グレードの「エレガンス」と「R-ライン」に標準装備。フロント・カメラで対向車や先行車を検知し、マトリックス・モジュールに搭載されたLEDの点灯と消灯を個別に制御することで最適な配光を可能としたマトリックス・ヘッドライトをベースに、さらに進化を遂げた片側1万9200個の高精細なマルチピクセルLEDを搭載し、従来よりも細かい制御が可能になった。これにより視認性と非視認性が高まり、夜間や暗い場所での走行がより安全に、快適なものになるとしている。



新世代のインフォテインメントを搭載

インテリアでは、インフォテイメント・システムを新世代設計の「MIB4」にアップデート。上級セグメントの最先端技術が数多く採用された。また、センターコンソールに「ドライビング・エクスペリエンス・コントロール」を新採用。ダイヤル式のスイッチなどを用いることで、オーディオの音量調整や運転モードの選択などがインフォテイメント用画面を介することなく調整できる。

エレガンスとR-ラインのシートには、8種類のパターンから選択できる空気圧式マッサージ機能を運転席に標準装備。オプションのレザーシート・パッケージ装着時には助手席にも搭載される。また、シート・ベンチレーション機能により夏場などの快適性が維持されるほか、外気温を検知しシート・ヒーター、ベンチレーションを自動的に作動するよう設定することも可能になる。



プラットフォームはMQBエヴォに進化

プラットフォームは「MQB」の改良版である「MQBエヴォ」を採用。可変ダンパーを備えたアダプティブ・シャシー・コントロールが「DCC」から2バルブ独立制御式ショックアブソーバーを持つ「DCC Pro」に進化。「DCC Pro」と電子制御ディファレンシャルロック(XDS)が高度に協調制御される「ヴィークル・ダイナミック・マネージャー」をフォルクスワーゲン初採用。走りに応じて4輪独立で可変制御することで、正確なステアリング・レスポンスをさらに引き上げるという。

「DCC Pro」が搭載する2バルブ式ショックアブソーバーは、伸び側と縮み側が独立したオイル回路となっていて、それぞれの減衰力を別々に調整することができる。これにより、「スポーツ」モードではフォルクスワーゲンらしい軽快なハンドリングを、「コンフォート」では、快適なフラットライドを実現する。

進化した駐車支援システムには「パーク・アシスト・プラス」を採用。ステアリング操作だけでなく、スロットルとブレーキも自動で操作され、新たに搭載されるメモリー機能では、駐車スペースの50m手前からの操作を記憶することが可能になり、最大5件までメモリー登録ができる。



マイルド・ハイブリッドを初採用

搭載されるパワートレインは、ティグアンで初の1.5リッターeTSIマイルド・ハイブリッド(前輪駆動)に加え、日本でも高い人気を誇る2.0リッターのTDIディーゼルにフルタイム4WDシステムの「4MOTION」を組み合わせた2種類となる。

eTSIマイルド・ハイブリッドの1.5リッター直4ガソリン・ターボは、最高出力150㎰(110kW)、最大トルク250Nmとなる最新世代の「EA211 evo2」エンジンを採用。4気筒のうち2気筒を休止させる気筒休止装置のアクティブ・シリンダー・マネジメント機構(ACT)を強化。より頻繁に停止して走行することで効率性を向上させるとともに、走行中にエンジンの完全停止、再始動を行うことでコースティング走行(滑走)も行う。これにより100km走行あたりで最大0.5リッターのガソリン節約に寄与するという。

また、ティグアン初搭載となるマイルド・ハイブリッドのモーターは、48V電源を用いたベルト駆動の水冷式スターター&ジェネレーターを採用。駆動用モーターとしても機能し、発進時トルクをアシストすることで、燃費向上に寄与するだけではなく発進や加速もサポートする。

2.0リッター直4ディーゼル・ターボは、193㎰(142kW)の最高出力と400Nmの最大トルクを発揮する「EA288 evo」エンジンを採用。尿素選択式還元触媒のSCRシステムを2つに増した「ツイン・ドージング・システム」を搭載したことで、窒素酸化物(NOx)の排出量をさらに削減している。駆動方式はフルタイム4WDの「4MOTION」と組み合わされる。



2エンジン、3グレードの6タイプ

グレード展開は、1.5リッターeTSIエンジン、2.0リッターTDIエンジンともに、最新の運転支援システムを標準化したエントリー・グレード「アクティブ」、LED式マトリックス・ヘッドライトの「IQ.LIGHT HD」や運転席と助手席のシート・マッサージ機能を標準装備する「エレガンス」、そして、スポーティ仕立てのエクステリアをまとい、専用のシートや20インチ・アルミホイールを装着する「R-ライン」の3グレードの計6グレード展開となっている。

新型ティグアンの予約注文受付は2024年9月に開始され、同年11月以降のデリバリーが始まる予定。なお、価格は現時点では明らかにされていない。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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