2024.07.21

CARS

【試乗速報】アルファ・ロメオの最新小型SUV、ジュニアにモータージャーナリストの嶋田智之が試乗!  実にドラマティックな曲がり方 これは紛うことなきアルファ・ロメオだ!!

試乗が叶ったのはシリーズのトップモデルとなる、ジュニア・ヴェローチェ。

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ステルヴィオ、トナーレに続いて登場した最新のアルファ・ロメオのSUV、ジュニアにイタリアで試乗した。アルファ・ロメオといえばこの人、モータージャーナリストの嶋田智之がリポートする。

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全長20kmのテストコース


ブランド初のピュアEVとしてデビューしたジュニアは、内燃エンジン信奉者の多いファンたちを納得させられるアルファ・ロメオらしいクルマに仕上がっているかどうか──。いきなりの結論だが、走らせてみて感じたのは“これは紛うことなきアルファ・ロメオだ”だった。楽しかった。気持ちよかった。



試乗が叶ったのはシリーズのトップモデルとなる、ジュニア・ヴェローチェ。新世代のM4+複合型シンクロナスモーター1基と最新の高エネルギー密度54kWhリチウムイオン・バッテリーを組み合わせた前輪駆動モデルで、280psと345Nmを発揮。WLTPサイクルでは410kmの航続距離を実現し、100kWの急速充電器では残量10%から80%まで30分以下でチャージすることが可能という。テストをしたのは御存知アルファ・ロメオの聖地、バロッコのプルービング・グラウンド。路面良好でスピードレンジの高いいつもの“ミスト・アルファ”に加え、今回は1962年の完成以来アルファのテスト・ドライバー以外は走らせたことがなかったという“ランゲ”と呼ばれる全長20km少々のワインディング・ロード風サーキットだ。



このランゲは一般道を模したコースで、うねり、路面のザラつき、段差、カント、アップ&ダウンなどが直線のみならずコーナーにも巧みに配されていて、クルマの挙動が全方位的にとてもわかりやすい。なので、ジュニアをスタートさせて最初に感じた喜びは最新モーターのこれまでの体験を上回るような滑らかなフィーリングだったのだが、その次に来たのは感動に近い喜び。BセグメントのSUVにカテゴライズされるクルマとしては、BEVであることを考えても驚くほどコンフォート性が高かったのだ。ピッチングもロールも適度に抑えられて、車体が余分な動きをしない。まるで高級サルーン、なのだ。



ドラマティックな曲がり方

そして最大の喜びは、その先のコーナーの連なりで待っていた。ブレーキが抜群に効く。ステアリングのフィールが驚くほど滑らかで気持ちいい。切り込んでいくと間髪入れずに前輪が反応し、素早く後輪も着いてきて──というより前後同調というべきか──ピタリと狙ったラインの上を正確になぞっていく。オーバーステアもないしアンダーステアもない。後輪を泳がせようとすればできるけど、そのときの動きがわかりやすいうえにすんなりと収められる。そうした一連の動きがステアリングやシートから手に取るように伝わってくる。ステルヴィオほど初期の反応は鋭くないし、トナーレほど抉り込むような曲がり方をするわけでもなく、アジリティは凄まじく高いのだけどスムーズにして自然、人車一体感も驚くほど強く、コーナリング・スピードも猛烈に速い。こう文字にしたら一気に陳腐に思えてしまうのは単に僕の筆力がたりないからで、ジュニアは実にドラマティックな曲がり方を見せてくれるのだ。



車重が同クラスの電動SUVと較べて200kgほど軽いこともあって、発進加速や立ち上がり加速も胸がすくぐらいには速い。走りに不満はゼロ、だ。

ダイナミクスを担ったドメニコ・バニャスコ氏は“このクルマはファミリー・カーだから”なんて笑っていたが、そうかも知れないけど高揚感は半端じゃなかった。日本の環境にもマッチする新しい小さなBEVは、そう、紛うことなきアルファ、なのだ。

文=嶋田智之 写真=アルファ・ロメオ

サイズは4173×1781×1505mm。軸距は2562mm。車重はエレットリカ280ヴェローチェが1590kgで、0-100km/h加速は5.9秒、最高速は200km/hに達する。

(ENGINE Webオリジナル)

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