2024.08.25

CARS

テリオスが3代目に進化して健在 インドネシアで売ってる日本では買えないダイハツ車たちパート2

2024年7月18日~28日の期間で開催されたインドネシアの国際モーターショー、「ガイキンド・インドネシア国際オートショー2024」(GIIAS2024)。ダイハツは小型のハッチバックとミニバン、SUVを中心にした幅広いラインアップで人気を博し、インドネシアでトヨタに次ぐ2位の販売シェアを持つ。

個性派揃い

今回は前篇に続き、ダイハツ・ブースに並べられていた日本市場には導入されていないダイハツの個性派MPV(マルチ・パーパス・ヴィークル=多目的車)を中心に紹介する。



ダイハツ・テリオス・グラファイト

「テリオス」といえば、日本人にも聞き覚えのある車名だが、2018年12月にインドネシアで発表された3代目は、日本市場に導入されていた初代よりも格段にサイズアップが図られ、全長×全幅×全高=4455×1695×1705mmの3列7人乗りのSUVへと生まれ変わっている。

パワートレインのレイアウトは、整備性の良さや悪路走行の強さから、FR(フロント・エンジン後輪駆動)が継承されているが、後輪駆動車のみだ。最高出力104ps、最大トルク13.9kgmの自然吸気仕様の1.5リッター直列4気筒ガソリンを搭載し、5段MTか4段ATを組み合わせる。SUV性能の基本である最低地上高は、220mmを確保している。



アウトドア・シーンを強く意識

テリオス・ベースのコンセプト・カー、「テリオス グラファイト」は、アウトドア・シーンを強く意識して作られたカスタマイズ・モデルだ。最上位グレード「Rカスタム」をベースに、グレーメタリックとブラックグロスソリッドを組み合わせた2トーン・ボディ・カラーを採用。フロント・バンパー、ヘッドランプ、サイド・モールには、レッドラインの加えることでスポーティさを表現している。足元には、ダークカラーの17インチ・ホイールにオールテレイン・タイヤを組み合わせることで、走破性も高めている。インテリアでは、「GRAPHITE」のロゴ入りフルレザーシートを備えるなど、上級感も演出している。

インドネシアで製造されるテリオスは、同地で最も売れているコンパクトSUVのひとつであり、2024年第1四半期のダイハツ車販売においてもトップ3にランクインしている人気車だ。価格は、2億4155万ルピア(約225万円)からとなっている。



ダイハツ・セニア

そのスポーティな姿に目を奪われたのが、「セニア」だ。3代目となる現行型は、2021年11月のインドネシア・モーターショーで発表された。

最大の特徴は、従来のFR(フロント・エンジン後輪駆動)車から新しいプラットフォームの「DNGA」(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)を採用したFF(フロント・エンジン前輪駆動)車へと変更されたこと。つまり、全面刷新を図った最新世代のミニバンなのだ。



スポーティなミニバンにイメチェン

トランスミッションは5段MTも用意されるが、シリーズ初のCVTとなる「D-CVT」が採用されている。エンジンは自然吸気の4気筒で、1.3リッターと1.5リッターの選択が可能だ。最上グレードとなる「1.5R」には、先進安全機能「アドバンスド・セーフティ・アシスト」(ASA)搭載車も用意する。

ボディ・サイズは、全長×全幅×全高=4395×1730×1690mmと、ボクシーなスタイルだった従来型と比べ、全高以外はひと回り大きくなっている。薄型のフロント・マスクを採用したシャープなデザインが、野暮ったいミニバンをスポーティなミニバンへのイメチェンを成功させたことが分かる。セニアの価格は、1.3リッターが2億2265万ルピア(約211万円)からとなっている。



ショーで初披露された新仕様

「セニアADS」は、今回のショーで初披露された新仕様であり、最上グレード「R」のスポーティ・バージョンとして設定されたもの。ブラック・ルーフを始め、ガンメタリックのアクセント・パーツをあしらったエアロ・パーツや前後バンパーのクロームガーニッシュなどを追加。その狙いは、若いファミリー層にあるという。その狙いが、セニアADSにはストレートに表現されていると感じられた。

インドネシア市場では、まだロッキーとセニアの2車種に限られるが、DNGAの展開が始まっている。特にDNGA初のBセグメント・カーとなるセニアを導入したことは、今後の需要拡大が期待できる新興国に大きな力を注いでいることを感じさせた。一方、DNGAでは手掛けていないFRレイアウトの車種が、今後、どのような進化を遂げるかにも興味を覚えた。



文=大音安弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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