2024.11.02

CARS

これこそ現代版、M3!「M2クーペにはクルマ好きの大好物が詰まっている!」by 高平高輝 第4位はこのスポーツカー!

第4位は、ジャーナリスト15人を虜にしたBMWのコンパクト・スポーツ、M2クーペ!

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雑誌『エンジン』の大人気名物企画、「エンジン・ホット100ニューカー・ランキングス」。「いい・悪い」ではなく、「身銭を切ってでも欲しいかどうか」、「そのクルマにどれだけ大きな愛情を注げるか」に加えて、今年はオリンピックイヤーにちなんで「時代のトップランナー」も選考テーマとした。44名のホット100選考委員のジャーナリストと編集部員、そして今年もEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2024年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。まずは2024年版のホット100に選ばれた上位20台をカウントダウン形式で発表する。4位にランクインしたのは3リッター直6エンジンを搭載するこのコンパクト・スポーツだ!

第4位! BMW M2クーペ 196pt

M2クーペにはクルマ好きの大好物が詰まっている! なんとか家族にも許してもらえる実用性も魅力的!



何しろスポーツカー大好き揃いで、しかも私をはじめとして失礼ながら平均年齢が高い選考委員の皆さんの顔ぶれを考えれば、幅広く票を集めるであろうことはある程度想像はできたものの、ポルシェ勢を抑えての総合4位という結果は予想以上である。

やはりベテラン勢は伝統的なクルマ好きの“大好物”があまさず一皿に盛り込まれているM2の魅力に抗しがたいのだ、と思ったら、編集部随一の若手も高得点を入れているではないか。バリバリ20代の村山委員の意見は、M2の特長を端的に示している。「幼少期に憧れたE30やE36型M3の現代版がこれだろう。M4同等のパフォーマンスを持つBMW謹製直6ターボのFRをMTで操れるだけでワクワクする」。そうそう、まさにその通り。



他の皆さんも世代性別問わずに評価のポイントは共通している。すなわち大きすぎないクーペボディのフロントに今時貴重なガソリン直列6気筒を積んだ後輪駆動、さらに8ATだけでなく同価格で6MT仕様も用意されている。

しかも「日本の環境で扱いやすく軽快に走れるサイズ。フロント周りはM3/M4とアーキテクチャーが共有されたことで走りの質感が大幅アップした」と藤島委員が指摘するように、2代目M2は3リッター直6ツインターボのピークパワーだけは若干劣るものの(直近のマイナーチェンジで480psにパワーアップした!)、だいぶ大目に見てもらって「M」の仲間入りしていた先代とは違って、もう兄貴分たちとほぼ変わらない中身を持つ(その分以前より車重は増したが)。M4のショートホイールベース仕様と言ってもいいぐらいだ。



「良き時代のM3を思い出すボディサイズで日本の道もサーキットも走りやすい。コンポーネントはM3/M4からの移植だからある意味で割安感がある」との菰田委員の論評通り、物みな高くなった昨今、ぎりぎり大台以下に抑えられた価格にも、もちろん気軽に手が届く値段ではないのだが、他のスポーツカーと比べるとずっと現実感がある。

さらに家族持ち世代に有難いのは、歴代ポルシェ911と同じように、自分が楽しむだけでなく何とか家族にも許してもらえるぐらいの実用性を併せ持っていることだ。



ヘッドルームは窮屈ながらいざという時には大人2名が何とか座れるリアシートに加えて荷室容量も十分、しかもバックレストは分割可倒式だ。迫力あるとはいえ、派手過ぎないキドニーグリルとスタイルも家族を説得する理由になると思われる。となると、あとはATかMTか。そもそも同じエンジンでどちらか迷う自由があるのも今時嬉しいじゃないですか。


「ADASを泣いてでもあえてMTで乗りたくなる」との渡辺委員の気持ちももちろん分かるが、ストップ&ゴー付きACCはAT車のみなので日常的に使いたい場合は大いに悩む(緊急ブレーキなどはどちらにも備わるがMT車は昔ながらのクルーズ・コントロール)。ペダル類が右側にややオフセットされていることも考え合わせると「直列6気筒の鼓動は内燃機の面白さを感じさせる。このパワーを操るのはもはや2ペダルだ」という日下部委員と同じく、私は8AT仕様を推す。

BMW M2クーペ
全長×全幅×全高= 4585×1885×1410mm。ホイールベース=2745mm。車両重量=1710kg。3.0リッター直6ツインターボは最高出力460ps/6250rpm、最大トルク550Nm/2650~5870rpmを発生、8AT/6MTを介して後輪を駆動する。車両価格=988万円~。


文=高平高輝 写真=茂呂幸正

BMW M2クーペには15人が投票した!
196pt/高平20pt+村山19pt+河村17pt+斎藤17pt+国沢16pt+藤島15pt+日下部14pt+菰田13pt+渡辺13pt+嶋田12pt+村上10pt+藤野9pt+佐藤9pt+松田3pt+上田2pt+EPC7pt

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(ENGINE2024年9・10月号)

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