2024.10.14

CARS

日本代表、レクサスLBX vs世界選抜、BMWX2M35ixドライブ 日独の都会が似合うコンパクトSUV対決! どちらにも備わる独自の持ち味とは?

日本代表、レクサスLBX vs世界選抜、BMWX2M35ixドライブ お洒落なコンパクトSUV決戦

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「サイズのヒエラルキーを超えたこれまでにないコンパクト・ラグジュアリー」という謳い文句で登場したレクサスLBXはどんなキャラクターを持ったSUVなのか? BMW X2と乗り比べて最新レクサスの立ち位置を考えた。モータージャーナリストの島下泰久がリポートする。

グローバルで認められたプレミアム・ブランド

世界で戦う日本車の中でも、とりわけグローバルで認められたプレミアム・ブランドと言えば、レクサスをおいて他にはない。圧倒的な静粛性でライバル達に脅威、そして影響を与えたLSや、プレミアムSUVというカテゴリーの先鞭をつけたRXなど、その歴史はライバルをフォローするのではなく、独自の道を行くことによって切り拓かれてきた。



昨年デビューした新型車、LBXはそんなレクサス初の欧州Bセグメントに属するサイズのコンパクト・クロスオーバーである。世界のライバル達が一層の上級化、高価格化に向かう中、真逆を行くラインナップの拡張の狙いは、レクサス曰く「本物を知る人が素の自分に戻り、気負いなく乗れるクルマ」を作り出すことだったという。

このセグメント、海外勢には真っ向からぶつかるクルマは実は多くなく、ドイツ勢だとアウディQ2、もしくは新型でCセグメント相当までサイズアップしたとは言え、キャラクターとしてはMINIカントリーマン辺りが浮かんでくる程度。BMW X2は、そのMINIカントリーマンとエンジン横置きの基本骨格を共有するクーペSUV、BMW言うところのSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)である。

実際、全長はLBXの4190mmに対してX2が4565mmで、そこだけ見ればクラス違いとも言えるこの2台だが、このページの写真に表れているように、LBXの存在感は決して負けていない。ブランド性、使い勝手の良いサイズ、洒落っ気まで含めて、ここでは比較の対象としてみた次第だ。

LBXの力強い外観

LBXはトヨタ・ヤリスなどと同じGA-Bプラットフォームを使いながらも、大径タイヤを収めるためにフロント・サスペンションを変更してホイールベースまで伸ばしたり、小さなキャビンに対してフェンダーを大きく張り出させるなどなどして、力強く塊感ある外観としている。特にインパクトが大きいのは、“鏡もち”フォルムと称されるリア・ビュー。試乗車は、ソニックカッパーのボディ色に夏の日差しがギラギラと面やエッジを強調していたこともあり、一層艶やかに感じられた。

一方のBMW X2 M35i xDrive Mスポーツは流行りのマット塗装となるフローズン・ポルティマオ・ブルー・メタリックをまとう。チョップド・ルーフのハッチバックという趣だった先代とは異なり、兄貴分であるX4、X6のような正統派SACとなった。全長、全高の拡大は、そのフォルムを成立させるためだろう。おかげで先代は対応していた立体駐車場は、ほぼ諦めなければいけなくなった。



最近のBMWに共通のエッジが強調されたデザインではあるが、線や面はクリーンで、ギョッとさせるような箇所はあまり無い。今のBMWのラインナップの中では、一番広く愛されそうな雰囲気ではないだろうか。少なくとも個人的には現行BMWのベストはこのX2である。

華やかなX2の内装

LBXのインテリアは、エアコンの吹き出し口を内蔵したスリットがダッシュボードから左右ドアまで繋げられ、その下にはステッチ入りの肉厚なレザー風パッドが配されている。繊細なステッチ、上級モデルと同じくeラッチを使って軽やかな所作で開けられるドアなど、仕立ては上質だ。

ドライビング・ポジションは低めで、ステアリングの角度、ペダルとの位置関係も良好。実はLBXのためにプラットフォームの改良まで行なっているのだという。一方、後席は広くはなく、空調の吹き出し口も無し。荷室も容量332リッターとそれなりというところだが、それはLBXが前席の2人のためのクルマと割り切っているからだろう。もっとスペースが必要ならUXもNXもある。

ダッシュボードやドア・トリムまでアルカンタラが贅沢に使用されたX2のインテリアは華やかだ。

アルカンタラが贅沢に使われたシートの掛け心地は良好。

X2のインテリアは一段と華やか。シートだけでなくダッシュボード上面、ドア・トリムにまで合皮とアルカンタラが貼られ、しかも画面サイズは特大。なんとゲームや動画再生なども可能となっている。緻密な作り込み、いかにも今風のハイテクがもたらす満足感は、これも上級モデルと何ら変わらない。

助手席はLBXには設定の無いパワーシート。後席はクーペ・スタイルの外観から想像する以上にちゃんと座れて開放感もあり、空調吹き出し口も備わる。見た目重視のSAVと言えども、乗員全員を快適にもてなそうとしているのがX2なのだ。

その上、荷室は後席使用時の容量は560リッターに達する。兄貴分のX4よりも広いのは、FFプラットフォームの恩恵である。

そんな具合でコンセプトも実際の空間設計も、それぞれ狙いは大きく異なる一方、内外装の仕立てはいずれも立派なものだ。BセグメントだCセグメントだと言っても、サイズは大きくなり価格も上がっているだけに、ユーザーの要求も必然的に高くなっているということだろう。

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