2024.10.14

CARS

日本代表、レクサスLBX vs世界選抜、BMWX2M35ixドライブ 日独の都会が似合うコンパクトSUV対決! どちらにも備わる独自の持ち味とは?

日本代表、レクサスLBX vs世界選抜、BMWX2M35ixドライブ お洒落なコンパクトSUV決戦

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軽やかなLBX

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それは走りに関しても同じことが言える。どちらも仕上がりのレベルは高く、乗り較べても感心させられることしきりだったのだ。

まず試したLBXは、とにかく軽やか。サスペンションがしなやかに動き、荒れた路面も苦にすることはないし、その割に直進性も良い。しっかりとしたスタビリティを実感させつつも重々しいわけではなく、コーナーでは適度にロールしながらスーッと滑らかに向きが変わっていく。

スッキリとした印象があるLBXのインテリア。ダッシュボードからドア・トリムまでぐるりと囲むようなデザインを採用することで、室内全体に統一感を出している。

前席のドライピング・ポジションは良好、シートの掛け心地も良好。

先に記したように、LBXはホイールベース延長のために前輪の位置を前進させている。マニアックな話をすれば、そのおかげでキャスター角が寝かされて直進性が高まり、しかも転舵していけばキャンバー角が増えて旋回性が高まるというわけだ。LBXには海外含めこれまで何度も乗っているにもかかわらず、改めていいなあと唸らされた。今のレクサスは、本当にいいクルマを作る。

一方、巷でよくやり玉に挙がるのが1.5リッターエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド・パワートレインのフィーリングだ。3気筒特有の音と振動が、レクサスにふさわしくないという話である。

改めて聞き耳を立ててみたが、低回転域では確かにそれを感じられなくもないが、電気モーターのトルクのおかげで痛痒を覚えることはないし、より上まで回せばほとんど気にならない。むしろ3気筒らしい弾ける感じが心地よく感じられるほどだ。

但し、公平を期すため記しておくと、それは試乗車がオプションのマーク・レヴィンソンのオーディオシステムを装着していたおかげでもある。実はこれにはアクティブ・ノイズ・キャンセリングが含まれるのだ。標準では音も振動ももう少しハッキリ感じられるということは記しておく。

骨太なX2

X2に乗り換えると、骨太なタッチに唸らされた。M35i xDriveの乗り味は硬めだが、ボディの高い剛性感のおかげでガツガツと安っぽく突き上げてきたりはしない。各部の建て付け、パワーステアリングのしっかりとした手応えも含めて、頼りがいのようなものを感じさせる。

ペースを上げていっても、そんな印象は変わらず。ステアリングを切り込むとロールは最小限に曲がっていき、大舵角まで優れた追従性を示す。しかも先代のように代わりに直進がおぼつかないなんてことはなく、どんな場面でも反応は正確。徹頭徹尾ニュートラルなハンドリングは、いかにもBMWらしい快感をもたらしてくれる。



2リッター直4ターボ・エンジンも強力そのもの。全回転域にトルクがギッシリと詰まっていて、刺激的と評したいほどのアクセル・レスポンスを実現している。このダイレクト感には、本来は燃費低減が目的だったに違いないDCTとの組み合わせも効いているのは間違いない。

特にSPORTモードでは反応が更に鋭くなる。トップエンドに向けての伸びの良さ、乾いたサウンドも相まって、まさに内燃エンジンの魅力を思い切り堪能できる仕上がりだ。ゲームや動画もいいが、やはり走ってこそ一番楽しめるクルマである。

思わず饒舌になってしまったが、こちらは最高出力317psの強力なユニット。刺激が一枚も二枚も上手なのは仕方がない。間に合ったならLBXも、先日追加されたMORIZO RRを連れてきたかった。レクサスとして、ちゃんとそういう用意もしているのだ。次の機会には是非お出ましいただこう。

それはともかくとして、走りについては両車、非常に完成度が高いことは間違いない。一方で、味わいはまったく異なる。硬質なX2がいかにもドイツ車、いかにもBMWといった趣なのに対して、LBXはこちらもカチッとしているけれど、タッチはむしろ軽快、しなやか。そう、冒頭に記した「本物を知る人が素の自分に戻り、気負いなく乗れるクルマ」というコンセプトをしっかり具現化しているのである。

それは走りだけでなくデザインやパッケージング、要するにコンセプト自体にも言えることだ。今や単にハードウェアの性能で匹敵しているだけでなく、プレミアム・カーとしての独自の持ち味がしっかり備わっている。世界で存在感を発揮できている理由は、まさにそれだと今回は改めて納得させられたのだ。

文=島下泰久 写真=望月浩彦

■レクサスLBX
駆動方式 エンジン横置き電気式4輪駆動
全長×全幅×全高 4190×1825×1545mm
ホイールベース 2580mm
車両重量 1390kg
エンジン 直列3気筒DOHC+モーター
排気量 1490cc
最高出力 91ps/5500rpm+前モーター(94ps)後モーター(6ps)
最大トルク 120Nm/3800~4800rpm+前モーター(185Nm)後モーター(52Nm)
変速機 電気式無段変速
サスペンション 前 マクファーソンストラット/コイル
サスペンション 後 ダブルウィッシュボーン/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前&後 225/55R18
車両本体価格 486万円

■BMW X2 M35i xDrive
駆動方式 横置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4565×1845×1575mm
ホイールベース 2690mm
車両重量 1710kg
エンジン 直列4気筒DOHCターボ
排気量 1998cc
最高出力 317ps/5750rpm
最大トルク 400Nm/2000~4500rpm
変速機 7段自動MT
サスペンション 前 マクファーソンストラット/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前&後 245/40R20
車両本体価格 810万円

(ENGINE2024年11月号)

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