2024.10.23

CARS

実はエンジン・モデルも進化! A4改め、新型アウディA5とS5にモータージャーナリストの大谷達也が試乗 手抜きなしのデキ!! 

写真は新型アウディS5セダン

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モデルネームの再構築により、従来のA4を引き継いだA5シリーズ。ハイパフォーマンス・モデルのS5とともに、新型A5の走りを従来型A4オーナーでもあるモータージャーナリストの大谷達也がフランスで試乗した。

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クーペやコンバーチブルは消滅か?

アウディのA5とS5がフル・モデルチェンジを受けてデビューした。

もっとも、名前はA5/S5のままでも、新型は従来のA4/S4とA4シリーズをベースとしたクーペ・フォルムのA5/S5を統合したモデルとの位置付けに改められている。BEVのモデル数が増えたことを受けて、アウディは「エンジン車は奇数、BEVは偶数をモデル名に用いる」方針に転換。これに従って命名された最初のエンジン車が、新しいA5シリーズなのである。 



ちなみに、今回デビューしたのはセダンとアバントのみ。クーペやコンバーチブルに関するアナウンスはまだないものの、このままフェードアウトする可能性だって否定しきれない。電動化を進める自動車メーカーがモデル数を絞るのはやむを得ないこととはいえ、もしもこのまま2ドア・モデルが消えるとすれば、ちょっぴり残念なのも事実である。 

新型A5に搭載されるエンジンはガソリン、ディーゼルともに排気量2.0リッターの4気筒ターボで、ガソリンは150psと204psの2タイプ、ディーゼルはMHEVプラスと呼ばれる48Vマイルド・ハイブリッドを装備した204psのみラインナップされる(ガソリンにハイブリッドはなし)。ハイパフォーマンス仕様のS5は3.0リッターのV6ガソリン・ターボを搭載。こちらもMHEVプラスを装備し、367psと550Nmを発揮する。ギア・ボックスはいずれも7段DCT。駆動方式は前輪駆動がベースだが、150psのガソリンを除くすべてのパワートレインにフルタイム4WDのクワトロが用意される(S5はクワトロのみ)。

進化の幅は歴然

最初に試乗したのはディーゼルのクワトロで、ボディはアバント。実は、私は従来型A4アバント・ディーゼルのオーナーなのだが、低速域で足回りから伝わるゴツゴツ感が段違いに軽くなっていることに驚いた。だからといってフワフワな足回りではなく、ボディをしっかりとフラットに保ってくれるうえ、コーナリング時のロールも十分に小さい。なんだか、快適性とスポーティさを一気に両立させてしまったような印象で、嬉しさと悔しさがない交ぜになった感情を味わった。



ステアリング・フィールは、アウディらしく雑味が少なく、洗練された感触。そのうえで、新型A5/S5ではステアリング系の剛性を徹底的に改善するとともに、ステアリングシャフトのねじれで操舵力を検知するパワステのセンサーを変更。小さなねじれ量で操舵力を検出できるようにすることで、よりカッチリとしたステアリングを目指したという。 







その効果は歴然としていて、従来のアウディでわずかに感じられた操舵遅れが完全に解消されるとともに、よりダイレクトなステアリングフィールが得られるようになっていた。 

マイルド・ハイブリッドを得たディーゼルはパワー特性がリニアで扱い易く、しかも低回転域で粘り強いトルクを生み出してくれて力強い。エンジン音の処理もうまく、ガラガラ音がほぼ聞こえなくなっていたことも印象的だった。 

新型S5セダンのサイド・ビュー。外観はA5もほとんど同じだ。

続いてステアリングを握ったガソリン・セダンのクワトロは、ディーゼルよりもさらにエンジンが滑らかなうえ、コーナーではノーズがすっとインに入る軽快さを示したが、ボトムエンドでときおりエンジンの反応が鈍くなる点は残念だった。 

最後に試乗したのはS5セダン。V6エンジンのフィーリングはさすがに滑らかなうえ、どんな回転数域でもディーゼルを余裕で突き放すトルクをレスポンスよく発揮してくれる。ハンドリングは、V6をフロントに積んだことによる反応の鈍さを感じなくもなかったが、ペースを上げても安定したハンドリング特性を維持するあたりは、いかにもアウディのスポーツモデルらしいと感じた。 



実は、新型A5/S5にはPPCと呼ばれる新しいエンジン車専用プラットフォームを初採用。それが走りの質感を磨くのに役立っているのは間違いないだろう。電動化に向けて急速に舵を切っているように見えるアウディだが、その影でエンジン車の熟成にも手を抜くことなく取り組んでいる様子に深い感動を覚えた。

文=大谷達也 写真=AUDI AG

(ENGINEWebオリジナル)

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