2025.02.02

CARS

車重2.5tの巨体がワインディングで気持ち良く走る驚きのロールス! シリーズIIになった2代目ロールス・ロイス・ゴーストに南仏で試乗

ロールス・ロイス・ゴースト・シリーズIIに南仏で試乗。

全ての画像を見る
初代が2009年、2代目が2020年にデビューし、若い世代に向けた新世代ロールスとして、史上最も成功したモデルとなったゴースト。このほど登場した2代目ゴーストのシリーズIIに、南仏で乗ってきた。エンジン編集部のムラカミがリポートする。

2代目ロールス・ロイス・ゴーストのシリーズII、すなわちフェイスリフト版の国際試乗会は、南仏プロヴァンスの広大なワイナリーの中に現代アート作品を点在させたシャトー・ラ・コストというユニークなアート・ホテルを基地にして開かれた。なぜロールス・ロイスは、この地を新型車のお披露目の舞台に選んだのか。プレス・コンファレンスでの説明によれば、素晴しいワインや食事が楽しめるシャトー、そこにある世界的なアート作品、そして英国よりも温暖な気候、ドライビングに最高の道……、といった要素があるのはもちろんだが、もうひとつ、それ以上に明確な理由があったという。



すなわち、ロールス・ロイスの創業者の一人であるヘンリー・ロイス卿は、1916年から1933年に亡くなるまで、現在の本社工場があるグッドウッドから8マイルほど離れた街に居を構えていたが、冬のあいだは毎年、南仏にやってきて、このホテルからクルマですぐの所にあるラ・カナデルという街に建てた別荘で過ごしていたというのである。

以来、南仏との縁はずっと続いており、最近ではスペクターの真夏のテストをコート・ダジュールでやったり、ファントム・シリーズIIの発表もこの地で行なったのだとか。

さらにもうひとつ、ゴースト・シリーズIIに直接かかわる話もある。新たに内装の素材として竹の繊維を編み込んだ生地を選べるようになったが、デザイナーがその発想を得たのは、まさにロイス卿の別荘に隣接する大きな竹林を持つ庭園を訪れた時のことだったのだそうな。



ま、要するにイギリス人はとても南仏が好きというわけだが、それを言うなら日本人も負けてはいない。かつて、『南仏プロヴァンスの12か月』という本がベストセラーになったのを思い出すが、今回、ロールス・ロイスの人と話をしていたら、あれはイギリスでも大ベストセラーになったのだそうで、そもそもが著者のピーター・メイル氏はブライトン出身のイギリス人作家だったのである。あらま、こりゃ参りました。

と、それはさておき、南仏プロヴァンスの地で新型ロールス・ロイスの、しかも他ならぬゴーストに乗れたことは、私にとってまたとない貴重な体験だった。最初から結論めいた話になってしまうが、ゴーストこそが現在のロールス・ロイスのラインナップの中でもっとも運転して楽しいドライバーズ・カーであることを、素晴しい道と景色の中で改めて強く実感することができたからだ。



その走りの話をする前に、まずはこれまでのゴーストの変遷と今回のマイナーチェンジの変更点から見ていくことにしよう。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement