2025.02.02

CARS

車重2.5tの巨体がワインディングで気持ち良く走る驚きのロールス! シリーズIIになった2代目ロールス・ロイス・ゴーストに南仏で試乗

ロールス・ロイス・ゴースト・シリーズIIに南仏で試乗。

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よりシャープでスッキリと

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2009年にフラッグシップ・モデルのファントムよりひと回り小さい「ベイビー・ロールス」として、かつてのシルバーゴーストから名前を受け継いで登場した初代ゴーストは、またたくまに人気を博して、ロールス・ロイスの歴史の中でもっとも売れたモデルとなった。その大人気車が11年ぶりにフルモデルチェンジして2代目となったのは2020年のこと。そこでロールス・ロイスはゴーストの性格づけを大きく変更してきた。すなわち、初代のオーナー・サーベイの結果、リア・シートだけでなく自ら運転席でドライビングを楽しんでいる人が多かったことを受けて、ショーファー・ドリブンが主であるファントムの小型版である以上に、オーナー自らがハンドルを握ることをより強く想定したドライバーズ・カーに仕立ててきたのだ。

内装で大きく変わったのはダッシュボードで、端から端まで1枚の大きなガラス・パネルで覆われ、メーターはデジタルの液晶画面になった。


実際、2代目ゴーストは、初代から受け継いだのはマスコットのスピリット・オブ・エクスタシーとドアに収納される傘だけと謳われるくらいに、大きな変更を受けていた。プラットフォームをそれまでのBMW7シリーズ由来のものから、ファントムやカリナンと共通する完全自社開発のアルミ・スペースフレーム・アーキテクチャーに一新。同時にロールスのサルーンとしては初めて四輪駆動や四輪操舵を導入した。さらに足回りにも、可変ダンパーに加えてもうひとつアッパー・ウィッシュボーンにもダンパーをつけたプラナー・サスペンション・システムを採用。エンジンも12気筒であることは同じながら、6.6リッターからファントムと同じ6.75リッターに変更してきた。

インテリアも色から素材まで、ビスポークで自由に選択できる。


その結果、「後席でくつろいでいるよりも、自らステアリング・ホイールを握っている時の方が断然楽しい」(当時の私の試乗記より)、究極のドライバーズ・カーと言うべきものになっていたのである。

さて、それが今回シリーズIIになってどう変わったのか。まず、すぐに見て取れるのはデザインで、ヘッドライトの形状が変更され、下のラインが内側にいくに連れて上に切れ上がった、よりシャープな印象のものになった。それと同時に、LEDのデイタイム・ランニングライトも内向きのコの字型から、外側に向けた楔型に変わり、これもスッキリとした印象になっている。



フロント・マスクでもうひとつ大きく変わったのは、バンパーに開けられたエア・インテークまわりのデザインで、レーダーを挟んで左右それぞれに長く伸びる水平のクロームラインが、これまでよりスポーティな印象を釀しだしている。

リアに回ると、やはりライトのデザインが変更されている。これまでは横のラインが基調だったのが、新型ではショルダーラインから下のバンパーに向けて流れるような縦のラインが強調されている。これも精悍でスポーティな雰囲気を釀しだすのに一役買っているように思った。



一方、インテリアで大きく変化したのは、デジタル化が一気に進んだことだ。メーターパネルが液晶表示になったのに加えて、ロールス・ロイスのオーナー専用アプリのウィスパーズが使えるようになるなど、インターネットへのコネクティビティが大幅に向上している。それでも時計はこれまで通りアナログのままだが、その下のガラス向こうに、カリナン・シリーズII同様、スピリット・オブ・エクスタシーの小さなマスコットが据えられるようになった。

その他、内外装のカラーから、先にも触れた竹の繊維を使った新しいレーヨン生地「デュアリティ・ツイル」を始めとする様々な素材まで、ビスポークによって自らの好みに合わせた1台をつくり上げるための選択範囲が大幅に拡げられている。

では、パワートレインやシャシーについてはどうなのか。プレス・カンファレンスではまったく説明がなかったので、質問してみると、なんと、まったく変更はない、という答えが返ってきたのにはビックリした。

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