2024.12.30

CARS

【海外試乗】蘇ったルノー5ターボ! EVだけど、これは乗ってみたい アルピーヌの新作、A290はどんなデキか?

2座ミドシップ・スポーツカーのA110に続くアルピーヌの新作は電気自動車のルノー5だ!

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あくまでニュートラル

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スペック上の0-100km/h加速は6.4秒と俊足だが、走り出して分かったのは、その加速感は高性能EVにありがちな、後ろから蹴られるように飛び出して刺激をもたらすものではないこと。アクセレレーターの操作に対し、素直に反応するリニアリティと伸びやかさを重視している。



リニアリティといえば、A290の真骨頂はハンドリングだ。印象的だったのはふたつ。ひとつは微少舵角を与えたときの反応の自然さで、敏感すぎることもなければ遅れもなく、ドライバーの気持ちとシンクロするかのようにスッと曲がる。もうひとつはオン・ザ・レール感覚。峠道の深く回り込むようなコーナーでも、外側へ膨らむことなく狙ったラインをきれいにトレースし、旋回中の舵角の修正を求めない。4輪操舵を備えたメガーヌRSなどはドライバーの意思でオーバーステアへと持ち込むこともできたが、A290はそこまで玄人向け仕立てではなく、あくまでニュートラルな感覚だ。

シートも左右の張り出しなどは共通だが、専用表皮となる。


広がったトレッド、A290専用の油圧式バンプストッパーや追加された前後スタビライザーなどの効果もあるだろうが、モーターの出力制御がハンドリングにも効いている、と思った。ある程度のスキルを持つドライバーであればスポーツ走行ではアクセレレーターの微妙なオン/オフでコーナリング・ラインをコントロールするが、A290のナチュラルなモーター特性は、その調整がごく自然にできるのだ。



見た目は少々ヤンチャなA290の試乗で感じたのは、アルピーヌの“多様化”だ。すでにA290に続くクーペSUVと、完全な電気自動車となるA110の後継モデルも、生産は決定しているという。メガーヌなどルノー・スポール時代のホットハッチや現行のA110が本格スポーツ・シューズだとすれば、A290は古の名作デザインを再現しつつ、最新技術を盛り込んだピタリとフィットするスニーカーという感じだろうか。あくまで日常域でさらりと乗るようなキャラクターであり、同じホットハッチでもサーキットを本拠地としていたかつての“ルノー・スポール”とはベクトルは異なる。

A290は、フレンドリーなのである。

文=工藤貴宏 写真=アルピーヌ

■アルピーヌA290 GTS
駆動方式 フロント1モーター前輪駆動
全長×全幅×全高 3997×1823×1512mm
ホイールベース 2534mm
最小回転半径 5.1m
車両重量 1479kg
バッテリー容量 52kWh
航続距離(WLTP) 364km
最高出力 160kW
最大トルク 300Nm
トランスミッション 1段AT
サスペンション(前) マクファーソンストラット+エア
(後)  マルチリンク+コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前後) 225/40ZR19
車両本体価格 未定

(ENGINE2025年2・3月号)

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