2025.01.08

CARS

新車で買える一番安いBMWがこれ! 新型BMW1シリーズのエントリー・モデル、120にモータージャーナリストの森口将之が試乗 シャシーが素晴らしい!

500万円以下で手に入る唯一のBMW

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通算4代目となるBMWの新型1シリーズで、まず日本に導入されたのは120とM135の2車種だ。M135と同時に120にも乗ったので、今回はそちらの印象を報告しよう。モータージャーナリストの森口将之がリポートする。

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センスのいいボディカラー


外観はやはり、キドニー・グリルの中のラインが一部斜めになっていることが目立つ。M135のページでも書いた、新たなユーザーの取り込みに向けて、フレッシュなイメージをアピールしたのだろう。一方でケープヨークグリーンと呼ばれるシックなボディ・カラーはドイツっぽいし、センスがあって、BMWならではという感じがする。フォルム自体はかなりダイナミックであるが、こういう色をまとうと落ち着いて見えることにも気づいた。



インテリアは、エアコン・ルーバー周辺のマットグレーのパネル、ざらっとした感触のファブリック・シートなどから、M135以上にカジュアルに映った。逆に言えば上質感は薄いけれど、それを含めて新型1シリーズの方向性が明確に伝わってくる。スポーティなフォルムながら後席にも身長170cmの僕が不自由なく座れるのは、フォルクスワーゲンやアウディなどとの比較で1シリーズを選ぶユーザーには大事なポイントになるだろう。





エンジンはBMW X1やミニ3ドアなどにも積まれる1.5リッター 3気筒ターボのマイルド・ハイブリッド版で、170ps/280Nmという出力もあり、7段DCTを介しての加速に不満はない。ただしペースを上げると3気筒独特の低くくぐもったサウンドが気になった。そういえばパドルシフトはなく、シフト・セレクターにもマニュアル・モードはない。回して楽しむキャラクターではなく、都市を快適に移動するモデルという位置付けだと理解した。



しかしながらシャシーは素晴らしい。乗り心地は穏やかで、高速道路では安定しており、ハンドリングは素直だ。プラットフォームを共有するミニの面影が残っていた先代1シリーズとは違い、X1同様、プレミアム・ブランドの作品にふさわしい仕上がりだった。駆動方式を別にすれば、3シリーズなどが備える世界観に近い。

478万円という価格は現在新車で買えるBMWではもっとも安く、500万円以下で手に入る唯一のBMWである。120はBMWブランド全体のエントリー・モデルであることは明白だ。それを考えると脚まわりの出来は拍手を送りたくなるレベルだった。だからこそ、これとM135の間のエンジンを試してみたいという気もする。ハッチバックというパッケージングはヨーロッパらしいと考えているので、本国には設定のある2.0リッター4気筒ディーゼル・ターボが似合いそうだ。このエンジンを積んだX1をドライブして、あちらは4WDだったとはいえ素晴らしいコンパクトSUVだと感じたので、1シリーズとの組み合わせでもいいクルマになりそうな気がする。

文=森口将之 写真=望月浩彦

(ENGINE 2025年2・3月号)

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