2024.12.27

CARS

市販第一弾は4ドアGTサルーン! ジャガーの秘密のプレゼンでタイプ00実車を見たモータージャーナリストの西川淳は証言する 

「これがジャガーなのだ」と、もはや20世紀的クルマ好きは悟るほかない。

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これまでのすべてを覆す? ジャガーの新時代を示す、コンセプトが登場。まるでどこかの惑星に降り立つ宇宙船のような姿の新時代のジャガーを見て自動車ジャーナリストの西川淳は何を思い、何を考えたのか。

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ブランド改革とはこうでなきゃ!

マイアミでタイプ00がデビューするちょうど2週間前。私は英国ゲイドンにあるジャガー・ランドローバーのテクニカル・センターにいた。再起を図るジャガー・ブランドのメディア・プレゼンテ ーションが秘密裏に催されたのだ。新しいロゴやモノグラム、タイプ00の実車まですべて披露されたが、それら数々の成果物はもちろん、熱のこもったプレゼンからは新たなブランド・コンセプトに対する揺るぎなき自信のようなものを感じ「ブランド改革とはこうでなきゃ」と教えられた気分だった。



実際、信念をもってブランド刷新に取り組んだことはデザイン・コンセプトカー・タイプ00の容姿からも明らかだ。「COPY NOTHING」。確かに。アンヴ ェールされた時には、その新しくもありまた古くも見えるシルエットに一瞬、言葉を呑んでしまった。「これがジャガーなのか?」と考えるのではなく、「これがジャガーなのだ」と、もはや20世紀的クルマ好きは思うほかないことを、その瞬間悟る。大好きなジャガーを殺したのは、なんと言っても我々世代なのだ。



遠目にはかなり巨大、なんならロールス・ロイス級に見えたけれど、実際には全長5mクラス。ドイツ・プレミアム以上ベントレー以下の価格帯、という話もあったが、個人的にはもっと突き抜けてもよかった、と思うくらいの存在感の強さではあった。特にインテリアが面白い。

市販第一弾は4ドアGTサルーンになる。偽装されたテスト・カーの写真を見る限り、デザイン・コンセプトのAピラーを前に引っ張り出して4枚ドアにしたような感じ、に見える。デザイン・ディテールの"多く"は市販車にも踏襲されるらしい。どこまでこの奇天烈さを残して登場するのか、そこは楽しみだ。



BEV宣言ブランドには暗雲立ち込めるタイミングの発表ではあったけれど、そんな逆風など吹き飛ばせ的な空気もまた、プレゼン全体に漂っていた。信念の強さだろう。それが届く相手は「まったく新しいユーザー層」であるに違いない。

帰国後、何人かのジャガー・ファンと話をした。一人二人、凄くかっこいいという人がいた。ブランド名が久方ぶりに沸騰ワードとなったことと併せて、改革の第一歩はまずは成功だったのではないだろうか。

文=西川淳 写真=ジャガー

(ENGINE 2025年2・3月号)

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