2023.06.24

CARS

ジャガーEタイプ初期のレース・カーをレストアで再現 7組14台のみを限定販売

旧いモデルを持つ愛好家のためにエキスパートによるサービスや純正部品の提供などを行うジャガー・クラシックが「EタイプZPコレクション」を製作、販売することを発表した。ドロップヘッドクーペ(DHC)とフィックスドクーペ(FHC)の2台1組で、7組のみが販売される。

最初期のレース・カーがモチーフ

これはEタイプのレース初勝利を称えるために発足したプロジェクトで、ZPはジャガーEタイプが発表された直後にレース用に改造された7台の初期車両のプロジェクト名に由来する。今回は約2000時間をかけてフルレストアしたEタイプのオープンとクーペを、1961年のレース初勝利モデルに着想を得た仕様に仕立てている。



オープンとクーペが2台セット

オープン・モデルのドロップヘッドクーペ(DHC)は、グラハム・ヒルがGTカーレースのオールトンパーク・トロフィーで優勝した登録番号ECD400をイメージしたモデル。ボディはオールトンブルーに塗装され、ゼッケンサークルとフロント開口部の縁取りはホワイトとなる。

クーペ・ボディのフィックスドヘッドクーペ(FHC)は、オールトンパークで3位、クリスタルパレスで優勝したロイ・サルバドーリのBUY1がモチーフ。クリスタルグレーの外装にホワイトのゼッケンサークルが入る。

どちらも前後バンパーはクローム仕上げで、フロント・グリルのバーとフロントのオーバーライダーは取り払われ、ボンネットにはルーバーが溶接され、キー付きのラッチとレザーストラップが取り付けられるなど、オリジナルの仕様を再現している。ワイヤーホイールにはジャガーヘリテージのロゴ入りホイールキャップを装着。フロント・フェンダーにはユニオンジャックとEタイプのシルエット、プロジェクトZPの文字が入るシールドエンブレム、リア・エンドやフィラーキャップにはZPロゴが入る。



インテリアもしっかりレストア

インテリアはDHCがレッド、FHCがダークネイビーのブリッジ・オブ・ウィアー社製レザーを用い、ハードデュラトリム仕上げでレーシーに演出。ステアリング・ホイールのリムはブナ材で、ゴールドのホーンボタンが装着される。ナビゲーション・システムを備えたBluetooth対応のインフォテインメント・システムも標準装備だ。

センターコンソールには、彫刻アーティストのジョニー「キング・ナード」ダウェルが手がけたアルマイトのパネルを使用。いずれも月桂冠が半分ずつ描かれ、DHCにはオールトンパークのコース図とヒルの名言、FHCにはクリスタルパレスのコース図とサルバドーリのニックネームが記されている。



3.8リッター直6+5段MT

エンジンは1961〜64年に生産された3.8リッター直6仕様がベースで265bhp(269ps)を発生。電動冷却ファンや電子イグニッションを備えるアルミ製ラジエーター、光沢仕上げのステンレス製エグゾーストで、日常的な扱いやすさに配慮したスペックとされている。

5段MTは専用開発のクロスレシオで全段シンクロ付き。ヘリカルカット・ギアと強化鋳造アルミケーシングにより信頼性と耐久性を高めつつ、搭載のためにほかの箇所を変更する必要がないよう設計されている。



付属アイテムも再現

車両のほかに、各ドライバーが着用したものを再現したハンドメイドのエバーオーク製ヘルメットが用意され、その収納バッグと車両ハンドブック用のポーチは内装と同じレザーでジャガー・クラシックのトリムエキスパートが製作。このほか、ZPロゴ入り車両カバーと特注の収納バッグ付きジャッキも付属する。

なおプロジェクトZPでは、ジャガーのSVビスポークによる現行のFタイプをベースにした「FタイプZPエディション」を2023年後半に発売する予定。今回のEタイプを彷彿させる仕様となるそれは、最後の5.0リッターV8スーパーチャージャー・モデルとなる。その限定モデルのうち14台は、このEタイプZPコレクション購入者に割り当てられるという。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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