2025.01.07

CARS

ライバルのアウディS3とゴルフRを迎え撃つ! BMWの新型ホットハッチ M135xドライブにモータージャーナリストの森口将之が試乗!!

前輪駆動の第2世代となったBMW M135 xドライブに試乗。

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6気筒を思わせる

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エンジンは、低回転ではFR時代の6気筒を思わせる重厚な回り方で、回していっても4気筒としてはかなりスムーズだ。ただし排気音は4気筒ターボを意識させる太い響きで、BMWなのだからエンジン・サウンドを聴かせる方向に仕立ててほしいとも思ったが、ホットハッチっぽい演出ではあった。

インパネやシートベルトのステッチにはMの3色を採用。

速さについては、最高出力300ps、最大トルク400Nmを発生するだけに、あらゆるシーンで強力。しかもX1同様、パドルシフトのマイナス側を長く引くとブースト・モードが作動し、秒間、さらに切れ味が鋭くなる。

脚まわりははっきり硬いが、ボディ剛性が屈強と言えるほどなので、ガツンとは来ない。優秀なスポーツシートのおかげもあって、1時間ぐらいであれば何の不満もなくドライブを続けられた。

最初に書いたようにM135は4駆であり、そのハンドリングはFRとは明らかに違う。前輪を駆動していることはステアリングに常時伝わるし、リアに駆動が掛かっていることは随所でわかるものの、それが主役になることはなく、4輪をバランス良く使ってコーナーを駆け抜けていく。安定性を重視したチューニングという印象を受けた。



価格は698万円と、3シリーズ・セダンの320iとほぼ同じだ。同じ2リッター4気筒ターボを積むとは言え、パワーとトルクに大差はあるが、多くの読者が思い浮かべるBMWらしさを求めるなら、320iのほうがお勧めだろう。

1シリーズはむしろ、BMWブランドに新しいユーザーを引き入れるための車種だと思う。激戦区のCセグメントでは、求められる実用性や快適性を備えていなければ、比較対象にすら上がらない。それを考えれば横置きパワートレインとするのは自然な成り行きだろう。

それにデザインはBMWらしさ、Mらしさをカジュアルタッチで表現できていて、同格のアウディS3やフォルクスワーゲン・ゴルフRなどの中から、これを選ぼうという気にさせる。長年プレミアムスポーツ・ブランドの雄として君臨してきた経験は、こういう表現力に表れてくるのかと実感した。

文=森口将之 写真=望月浩彦

BMW M135 xドライブ
駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4370×1800×1450mm
ホイールベース 2670mm
トレッド 前/後 1560/1560mm
車両重量(車検証記載前後軸重) 1570kg(前930/後640kg)
エンジン形式 直列4気筒DOHC16Vターボ
総排気量 1998cc
ボア×ストローク 82.0×94.6mm
最高出力 エンジン 300ps/5750rpm
最大トルク エンジン 400Nm/2000-4500rpm
変速機 デュアルクラッチ式7段自動MT
サスペンション形式 前/後   マクファーソン・ストラット/マルチリンク
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前後(取材車) 225/45R18(235/40R19 96Y) 
車両価格(税込) 698万円

(ENGINE 2025年2・3月号)

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