2025.03.22

CARS

ヤフオク7万円のシトロエン、XMの9台持ちと行く日帰り旅 シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#67

シトロエンCX生誕50周年を祝う、日本シトロエンクラブの全国ミーティング会場にやって来たリポート車。右奥のDSたちのさらに奥に、集結しているCXたちが見える。また左奥に見えるのは隣接会場の別イベントで集まっていたアルファ・ロメオたち。

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月の時間と200万円を投じて大規模修復を実施。そうしてようやく走り出すも次々にトラブルに見舞われ、綱渡り状態ながら予算をひねり出し、なんとか乗り続けているエンジン編集部ウエダの自腹散財リポート。今回はシトロエン・イベントへ参加した模様を報告する。

XM9台持ちとの日帰りドライブ

前回のリポートではエグザンティア歴の長いオーナーとの偶然の出会いに触れたが、この春はもう1人、ハイドローリック・シトロエン乗りのオランダに住む大先輩、 マーク・スクラーヴン(Mark Schraven)さんと長時間一緒に過ごす機会があった。



マークとは2023年にフレンチ・トースト・ピクニック会場で出会ったのだが、愛車はDSとCXと、さらにはXMを9台! というから、もうそれだけでどれくらいの重篤なシトロエニストであるか分かるだろう。以前お邪魔したポーランドにもXM5台持ち、なんてオーナーがいたけれど、いやはや世界は広く、愛好家の嗜好は本当に奥深いものだ。

オランダ在住のマークが日本に通うようになったきっかけは、この連載も何度も撮影してもらっているXM乗りのカメラマン、岡村智明さんの写真だ。彼の作品をオランダのXMクラブが会報誌に採用したことで、かの国と繋がりができたという。その後、2012年に岡村さんがシトロモービルというイベントへ向かった時にクラブとの面々と出会い、マークとも仲良くなったそうだ。

そして2017年から、マークは毎年のようにトランクに入手困難なシトロエンの部品と美味しいチーズをお土産としていっぱい詰め込んでやって来て、代わりに趣味のレコードを山のように持って帰っていくという旅を続けている。

刺身や天ぷらなど日本食も大好きで、本当にこの国と、この国のシトロエン乗りを愛してくれているひとだ。そして日本のXM乗りたちのサポートがあるとはいえ、北は北海道から南は沖縄まで、ひとり気ままに各地を旅するかなりアクティブなひとでもある。

2024年の訪日でも、東京のあるシトロエニストのところを起点としてXM乗りたちとジャパン・ツアーを楽しむということだったが、その旅の一環として、日本シトロエンクラブが主宰するシトロエンCXの50周年ミーティング会場まで、僕が彼をエグザンティアで送り届けることになった。

さまよえるオランダ人

イベントの会場は長野県の富士見パノラマリゾート。東京からだと2時間くらいだろうか。

談合坂サービスエリアにて。ぞくぞくと集まってきた旧車たちを撮影するマーク。

途中、談合坂サービスエリアで遭遇した日本の旧車會との遭遇もけっこう話題になったが、主に車中で話したのは、ほとんどオランダのハイドローリック・シトロエン事情だった(笑)。例えばテーマとして挙がったのは、XMをはじめとするエグザンティアにベスト・マッチなタイヤについてや、ハイドロ・シトロエンにとって必須の窒素ガスが封入されている緑の球、スフェアの再利用(リチャージ)についてなどなど。どっちもリポート車の今後に大きく関わることだから、興味津々である。

ちなみに彼の答えは、前者は欧州では冬季用のタイヤが必須なこともあり、オールシーズン使えるミシュランのクロスクライメート・シリーズ。後者はリチャージ用に改造したスフェアの普及はさほどしておらず、OEMの新品との交換が主だという。また部品などで困ったら、いつでも相談して欲しい、と笑顔を見せてくれた。実際、知人の2CV乗りは、マークに中古のヒート・シールドの輸入を手伝ってもらったりしている。

うーん、これはいつかぜひ、彼と彼の9台のXMをはじめとするシトロエンたちに会いに、オランダにも足を運ばないといけないなぁ。





そして到着した富士見パノラマリゾートには、なんと23台ものCXをはじめ、新旧シトロエンが計75台も終結していた。そして、八ヶ岳をバックに並ぶCXたちの姿はほんとうに見事だった。フランス本国でも、こんな素敵なシチュエーションでCXたちがこれほど多く集まることは、そうそうないだろう。前回報告したフレンチ・ピクニックの帰りにも思ったけれど、あらためてエグザンティアが集まる機会を催せないか、僕は再考することになったのだった。

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