2025.03.02

CARS

ここでは日産が主役 ハコスカやケンメリをはじめ、展示台数と人気共に一番のスカイラインの歴代モデルを紹介

2025年2月22日と23日の2日間に亘って開催されたノスタルジック2デイズ2025。『ノスタルジックヒーロー』をはじめとするヒストリック・カー雑誌などを発行する出版社、芸文社が主催する旧車を中心とした展示イベントだ。ヒストリック・カーのモーターショーと言っていいこのイベントは、今年で16回目を迎える。

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会社はピンチだけれども……

ノスタルジック2デイズでは日本車を中心に数多くの旧車が展示されているが、台数だけでなく注目度が一番高いのは日産スカイライン。今回は数あるスカイラインの展示車の中から注目モデルをピックアップして、画像集とともに紹介する。まずは5代目までのモデルを取り上げる。



1969年式 日産スカイラインGT-R(PGC10)

スカイラインGT-RはS20型2リッター直6を搭載するファースト・ジェネレーション、RB26DETT型2.6リッター直6ツインターボを積むセカンド・ジェネレーション、そしてスカイラインの名は外れたもののその後継車となるVR38DETT型3.8リッターV6ツインターボのサード・ジェネレーションの3世代がある。いずれの時代のモデルも2ドア・モデルが標準だと思われているが、そうではない。

ファースト・ジェネレーションのGT-Rは4ドアでスタートした。なぜそうなったのか? 答は簡単だ。GT-Rは日産と合併する前のプリンス自動車が製造したレーシング・カー、「プリンスR380」(のちに「日産R380」に改名)に搭載されていたGR8型エンジンをデチューンしたS20エンジンを搭載することでGT-Rを成立させた。これが1969年のことだが、1969年にはスカイラインにはまだ2ドアは存在していなかった。当時のスカイラインは4ドアのみであったので、GT-Rも必然的に4ドアとなったのだ。

今回この貴重な4ドア・スカイラインGT-Rが特別展示された。しかも車台番号が50番台というかなり初期のものである。赤いGT-Rのエンブレムはもちろんだが、幅広タイヤを履かせるためにフェンダーを拡大。この時代のスカイラインの特徴である、サーフィンラインと呼ばれるボディ・サイド後半に備わるキャラクター・ラインは無残に分断され、それがかえってスパルタンな印象となっている。



ケンとメリーのスカイライン

スカイラインにはその世代によってニックネームがある。3代目スカイラインはそのスタイルから「ハコスカ」と呼ばれ、その次の世代4代目は「ケンメリ」と呼ばれる。

この時代のスカイラインでは、テレビCMをはじめ、ケンとメリーという広告キャラクターを用いた宣伝を行い、キャッチコピーも「ケンとメリーのスカイライン」だったことから、そのように呼ばれるようになった。



スカイライン史上で最も売れたモデル

ケンとメリーというちょっとエキゾチックな顔立ちのカップルは、スカイラインの販売にひと役買った。いやひと役なんてものじゃない、ケンとメリーという理想のカップルのおかげもあり、3代目スカイラインは64万台というスカイライン史上で最も売れたモデルとなったのだ。当時小学生だった筆者は、プリンス販売に勤めるお向かいのお兄さんに頼んで、ケンとメリーのグッズをいろいろもらったもので、それを学校に持っていくとものすごく羨ましがられたのである。

ケンメリ・スカイラインにはわずか197台しか製造されなかったGT-Rを含め、4ドア・セダン、2ドア・ハードトップ、ステーションワゴン、それをベースにした商用バンとさまざまな車型があり、それぞれが人気でそれぞれがニーズに合わせた役目を持って街中にあふれていた。ケンメリをみるたび、この時代の日産車は本当に魅力にあふれていたとつくづく感じるのである。



文=諸星陽一

(ENGINE WEBオリジナル)

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