メルセデス・マイバッハが、「SL680モノグラム・シリーズ」を、欧州市場向けに正式発表した。
マイバッハとしては初のオープン・スポーツ
2024年夏のモントレー・カー・ウイークでワールド・プレミアとなり、年末には日本でアジア・プレミアを行ったモデルで、マイバッハとしては初のオープン・スポーツ。Sクラス、GLS、EQS SUVに続く第4のラインナップと位置付ける。

見どころは独自のルックスだ。ホワイト・アンビエントとレッド・アンビエントと銘打った2パターンが用意され、ボディ・カラーはマヌファクトゥールのラインナップからオパライト・ホワイト・マグノとガーネット・レッド・メタリックをチョイス。
いずれもボンネットはオブシディアン・ブラック・メタリックで、これはマイバッハの特徴的な2トーンを新解釈したパターンだ。無論、コストに糸目をつけなければ、50以上のバリエーションから好みのカラーをオーダーすることもできる。

ボンネットには車名にあるように、グラファイト・グレーのマイバッハのエンブレムが一面に敷きつめられる仕様も選べる。この施工は複雑で、ベースコートの後にクリアコートを施し、手作業で研磨。その後、個別制御できる1000以上のノズルを備えるピクセル・ペイントでロゴをプリントし、さらにコートと研磨を2回行ったのち、4層目のコートで仕上げられるという。

ソフト・トップも特別仕立てで、ライト・ブラックの生地には、アンスラサイトのマイバッハ・エンブレムが散りばめられる。スポーツ・モデルらしい低重心感を表現した台形グリルは、マイバッハ初のデザインだ。ロワー・グリルを囲むクローム・トリムも、マイバッハのSLを特徴づける。
ヘッドライトにはエンブレムを刻んだローズ・ゴールドのアクセント、テール・ライトにもロゴが入る。キャビンの背後は空力を考慮したダブル・スクープ形状で、その後方にはたたんだソフト・トップのモノグラムを目にすることができる。

リアには横バーの入るテール・パイプや専用デザインのクローム・トリムとリア・ディフューザーを装着。ホイールは鍛造21インチで、5ホールのディッシュとマルチ・スポークが設定される。


キャビンは2シーター。内装色はクリスタル・ホワイトで、シートにはエンブレムと花を思わせるパターンが型押しされ、ドアやセンター・コンソール、シート背後のスペースともどもナッパレザーで覆われる。
パワートレインは、最高出力/最大トルクが585ps/800Nmの4リットルV8ツイン・ターボで、9段ATを介して4輪を駆動する。2050kgと重量級ながら、0-100km/h加速は4.1秒、最高速度は260km/hに到達する。
サスペンションはセミアクティブで、機械式スタビライザーに代わる油圧ロール制御を装備した快適仕様。ダンパーのバルブやスチール・スプリングも、ソフトなマイバッハ仕様だ。
SLモノグラム・シリーズ投入に合わせて、アパレルやグッズのコレクションも発表。レザー・ジャケットやスニーカー、スカーフやバッグ、ドッグ・キャリヤーなどが揃う。

ブランド・ロゴをソフトトップにあしらう手法は、DSなどがすでに実施しており、複雑なパターンを外装に施すカスタムは、ラッピングの一般化で珍しくなくなった。とはいえ、マイバッハのような高級ブランドの純正仕様となると、強烈な存在感を発揮しそうだ。
なお、このSLモノグラム・シリーズ、時期は未定ながら、日本での販売も予定されている。
文=関 耕一郎
(ENGINE Webオリジナル)