2025.07.08

CARS

デザインに一目惚れ! 荒井寿彦(フリーライター)が選んだのはキャデラック・リリック  欲しいのはカッコいいクルマだ!!

内燃エンジンだろうと、電気モーターだろうとカッコが良くなければ食指は動かないし、うわ! これ欲しい! と思えば、それに乗り続けるための手段を考えるというのがクルマ好きの本音。

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スクウェアな世代

冒頭に大変革期と書いたけれど、大変革期と言えば、歴史の長いキャデラックも変革を続けて来たブランドだ。

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絶頂期と言われているのは1950年代である。1953年、第二次世界大戦の英雄、アイゼンハワーが第34代の合衆国大統領に就任する。国民は尊敬と親しみを込めて、アイクと呼び、アメリカは自信に満ちた時代を迎えるのである。

戦後経済が活況となり、ベビーブームが到来、アメリカの大人たちは未来を疑わず、優雅で大きくてゴージャスなキャデラックに憧れた。

33インチの横長スクリーンが湾曲してドライバーを囲む。丸いクリスタルのコントロール・スイッチが美しい。

当時、保守的で分別のある大人たちはスクウェアな世代と言われている。大きくて四角いサルーンに乗るおじさん達を想像するとピッタリなネーミングだと思う。

キャデラックはこの時代で脚光を浴び過ぎたせいで、保守的なリッチマンが乗るクルマというイメージが定着してしまった。

ちなみに1950年代、物質主義的な社会体制や既存の価値観、つまりスクウェアな世代へ反抗し、自由な人間性や魂の解放を目指した若い人たちをビート・ジェネレーションという。このビート・ジェネレーションに大喝采で迎えられたのが、1953年に登場したアメリカ初のライトウェイト・スポーツ、シボレー・コルベットだった。当時、対立する世代を代表するクルマがキャデラックとコルベットだとすると、GM同士の対決だったということになる。

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