DSオートモビルが、母国の偉大な作家に敬意を表したジュール・ヴェルヌ・コレクションを設定した。
いまや映画やアニメでその名を知る人も
没後120年となるヴェルヌは、フランス人の小説家。革新的な空想科学小説や冒険小説を多数著し、SFの父との呼び名を持つ。

その著作は現代のSF界にも強い影響をもたらしており、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでは、登場するドクことエメット・ブラウンが愛読者だとされるなど、作品世界の重要なピースに。
ヴェルヌによる有名な冒険小説『海底二万里』は、日本のアニメ『ふしぎの海のナディア』の原案とされたり、人気テーマパークでアトラクションのモチーフになったりしているので、小説を読まずともその世界観に触れた経験があるのではないだろうか。
ジュール・ヴェルヌ・コレクションは、ヴェルヌの代表作をモチーフにした仕様を、各モデルに用意したものだ。ノーズには、ギョーシェ彫りとヴェルヌのサインをあしらった専用バッジを掲げている。

DS3は『海底二万里』にちなみ、サイドのバッジやシルのプレートにはヴェルヌのサインと、作中に登場する海洋生物のクラーケンを思わせるグラフィックが与えられる。ホイールは、グロス・ブラックと切削加工で仕上げた18インチだ。

インテリアは、エターナル・ブルーとパールのアルカンターラを用いる。ダッシュボードには、クラーケンの触手のようなデザインがレーザー彫刻され、スティッチはテール・ドゥ・カッセル・ベージュ、ヘッドレストには同色でヴェルヌのサインを刺繍した。
ハイブリッドとBEVのE-テンスの展開で、価格は3万7750〜4万3900ユーロ(約617〜718万円)となる。
DS N°4はヴェルヌの『80日間世界一周』がモチーフで、各部にクラシックなコンパスのビジュアルが散りばめられる。

ホイールは星型の19インチで、ゴールドのセンター・キャップを装着する。

内装はDS3同様の2色仕上げで、ダッシュボードのレーザー彫刻はコンパス柄。サイン刺繍は、シート・バック上部に施される。
ハイブリッドとPHEV、BEVのE-テンスの3タイプで、価格は近日公開。
DS7のテーマは『気球に乗って5週間』で、ボディ・カラーはサファイア・ブルー。

ドア・バッジやサイド・シルには天球儀が描かれ、ホイールは、ゴールド・センター・キャップの19インチだ。

パール・カラーのダッシュボードには、天球儀に気球を組み合わせた図案をレーザー彫刻。フロント・シートのヘッドレストに、ヴェルヌのサインが刺繍される。広い空を感じられるパノラミック・ガラス・サンルーフも標準装備だ。
PHEVのFFと4WD、ディーゼルを用意し、価格は5万3850〜6万7610ユーロ(約880〜1105万円)。
DS N°8は『月世界旅行』をイメージし、ボディ・カラーはトパーズ・ブルー。ホイールは空力フェアリングとアルミ・インサートを備える鍛造21インチのカシオペア。リア・エンドの車名ロゴは、°が星のきらめきを思わせるダイヤ型となっている。
インテリアには、植物なめしのナッパ・レザーとアルカンターラを用い、ライト・ゴールド・ベージュのエッチングで装飾。前後ドア・トリムは、エターナル・ブルーのアルカンターラに、月から見た太陽と地球を彷彿させるレーザー彫刻が入る。ダッシュボードからドアへ続くアルミ・トリムの表面加工は、作中の宇宙船に着想を得たものだ。
BEVのロング・レンジ仕様で、FFと4WDが選択でき、価格は7万6600〜8万300ユーロ(約1252〜1312万円)。
日本導入は現時点では未定ながら、ヴェルヌの作品にワクワクする少年少女だった大人たちにとって、興味津々のコレクションではないだろうか。
文=関 耕一郎
(ENGINE Webオリジナル)