2025.06.07

CARS

ランクルの宿敵に試乗! 国内販売は決定済みか!? 日産パトロールは800万円台で出せるはず

砂漠で本領を発揮するクルマだけあり、ランクル300に匹敵する悪路走破性を持つという日産パトロール。

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以前から国内販売が噂されていた日産パトロール。自動車ジャーナリストの国沢光宏がテストコースで試乗し、どういう販売展開をするのか、また価格について予想してみた。

日産、今コレを売らずして何を売る?

公式には「日本導入を検討している」とアナウンスされているパトロールながら、実際は売ることが決まっていると考えていい。売る予定のない車種をこれだけ多くのメディアに披露することなど100%考えられないからだ。なぜ日本市場にパトロールなのか? そもそもUAEやサウジアラビアに代表される中近東やアメリカ(車名はアルマーダになる)専用車である。



なにしろ大きい! 全長5350mm×全幅2030mmもある! 大きいと思われているランクル300ですら全長4985mm×全幅1990mm。365mmも長いのだった。おそらくパトロールの“サイズ感”は実車を見たり、ハンドルを握らないと理解できないかもしれない。少なくとも私の家の駐車スペースには入らないし、日本の標準的な道路事情だと相当制約を受けるんじゃなかろうか。



まぁキャデラックのエスカレードやフォード・ラプター、トヨタ・タンドラなど同じくらい大きいクルマに乗っている人もいるんだから問題ないか(笑)。

そうそう。なぜ日本で販売するのか調べてみたら、新型パトロールには右ハンドルのオーストラリア仕様が存在するためだと判明した。さらに九州工場で生産される。だったら日本でも売りましょう、ということだと思う。クルマ好きとしちゃ新車種が出るの大歓迎です。





乗るとどうか? パワーユニットは425馬力を発生する3.5リットルV6ターボのみ。2.8トンあるボディを元気よく走らせる。ここで「燃費は?」考えるようだと、最初から「お客さんじゃありませんね」ということになる。興味深いことにランクル300も415馬力の3.5リットルV6ターボがけっこう売れている。1時間で200リットルくらいハイオク喰うプレジャーボートと比べれば燃費良い。



高速道路のような日産グランドライブの周回路で巡航すると「苦しゅうない」みたいな感じ。ドッシリしており安心感高い。プロパイロット2.1が採用されているため、限られた条件ならハンズフリー走行も可能。中東のお金持ちが「いいね!」と思える豪華な室内を持つため、ボサノバでも聴きながら走行車線を流すような使い方をすると、けっこうツボにハマる。



インテリアは前述の通りコッテコテだ。シャネルのマトラッセ風スティッチが入ったシートや、色使い&デザインなんか日本車と思えない。





2列目と3列目の3人掛けシートもユッタリしている。ラージ・クラスのミニバンと比べたら勝てないけれど、3列目シートを使う機会って案外少ない。2時間くらいなら身長183cmの私でも快適なドライブが出来るだろう。

日本で乗ろうとしたらやはり気になるのはボディ・サイズ。日産も理解しており、インパネにある大きな液晶2枚にアラウンドビューなどの映像を表示させる機能を付けた。日産が得意としている技術である。上空からクルマを見るようなイメージの映像に加え、ボディが透明に見えるモードもあるため、狭い場所を通るときなどギリギリまで避けられる。狭い車庫入れで便利。



このクルマでオフロードを走ろうという人は少ないと思うが、砂漠で本領を発揮するクルマだけあり、ランクル300に匹敵する悪路走破性を持つらしい。



聞いてみたら中東での売れ行きはランクル300と同等。日産がトヨタと真正面から勝負できる数少ない車種ということになる。

価格だけれど、中東地域だと1000万円程度。日産はメディアに「どのくらいの価格ならいいか?」と聞いている。皆さん「1000万円以上でいい」などと答えていたが、前述の通り九州工場製。その気になれば800万円台で出せると思う。ランクル300のフル装備車が750万円程度。一回り大きくて豪華なパトロールが800万円台なら、興味を示すクルマ好きもいるに違いない。

文=国沢光宏

(ENGINE Webオリジナル)
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