2025.06.14

CARS

あのクルマを電池交換式に改良? 目指すは全自動かつ5分で交換できるEVの普及 三菱が150台超で実証実験をスタート

三菱ミニキャブEVが電池交換式に改良か?

全ての画像を見る
三菱が、バッテリー交換式EVの実証実験に9月から参画する。2024年夏にプロジェクトを開始した、三菱ふそうとヤマト運輸、Ample(アンプル)と協力するかたちとなる。

三社共同で全自動の交換電池式BEVを展開


アンプルは、BEVのバッテリー交換に関する技術開発や、バッテリー交換ステーションの運営を手掛けるアメリカの企業だ。日本では、エネオスと共同で全自動交換ステーションを京都市に開設し、これまでバッテリー交換式に改造した小型トラックの三菱ふそうeキャンターで実証実験を行なってきた。



今回の実証実験は、東京都内にバッテリー交換ステーションを14ヶ所設置し、eキャンターに三菱ミニキャブEVを加えた、バッテリー交換式へ改造した商用BEVを150台以上運用する予定。





バッテリー交換式EVの大規模運用をはじめ、交換ステーションにおけるブランドやサイズの異なる車両の取り扱いや集配業務での実用性を検証し、ICE車や充電式EVとの経済合理性比較、各種データ収集を実施する。



ちなみに、バッテリー交換の所要時間は5分間を目標としている。

中国などでは普及が進んでいるバッテリー交換式EVだが、日本では以前から可能性が論じられていながら、本格的な実用化に向けた動きは活発とはいえない状況にある。

そんな中、軽商用EVでは、ホンダが複数の小型バッテリーを手動で交換する方式を試しているが、三菱が自動交換式の検証へ参入することで、さまざまな方式の利点と問題点が明確化すると期待される。



そもそも三菱は2009年に、現代レベルのBEVとしては世界初の量産車であるアイミーブを発売。そのノウハウを共有し2011年に市場投入されたミニキャブ・ミーブは、ミニキャブEVと名を変え、日本郵便などで広く運用されている。





この継続的にノウハウを蓄積してきた軽商用EVでメリットが実証されれば、停滞する個人向けBEV市場とは対照的に、ラストワンマイルを中心に電動化の模索が続いている物流業界から、バッテリー交換式EVが広まっていくかもしれない。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement