2025.06.15

CARS

ジープ初のマイルド・ハイブリッドに試乗!燃費が進化した「レネゲード」最終モデルは、今こそ狙い目?

ジープ初のマイルド・ハイブリッド「レネゲード」の最終モデル

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デビューから10年を目前に、ジープの末っ子がリニューアル。初めてレネゲードに試乗した編集部の若手、ムラヤマは新しい心臓を得たレネゲードに乗って、何を思ったのか。

登場から10年、最後のモデルチェンジ

ジープ・レネゲードが登場から10年の節目を迎えるという。10年前といえば私は高校1年生で、運転免許すら持っていなかった。最近、これだけモデルライフが長いクルマも珍しいけれど、そんなレネゲードもいよいよ締めくくりなのだそうだ。

なぜ、いまレネゲードなのか? と言えば、新たなパワートレインを得てリニューアルしたからである。デビュー以来、1.4リッターターボのFF、2.4リッターの4WD、前輪1.3リッターターボ+後輪電動モーターの“4xe”と様々なバリエーションを展開してきたが、今回導入されたのはジープ初のマイルド・ハイブリッドで、今後はこの仕様に1本化される。1.5リッターターボに、20psを発生する電動モーターを内蔵した7段DCTを組み合わせるFFモデルだ。





レネゲードを近くで見るのも、試乗するのも私は今回が初めてだったけれど、まずはボディのコンパクトさに驚いた。1805mmの全幅は今や控えめな方だし、全長もわずか4255mmである。それでもしっかりした存在感を放っているのは、ラングラー譲りのアイコニックなデザインが今でも色褪せていないからだと思う。顔周りやドアミラーなどはブラック化されてワイルドになった。

インテリアは機能優先でシンプルな造形だが、ワクワクする仕掛けが溢れている。思わず掴みたくなる助手席のグラブバーや、ジープの始祖であるウィリス・ジープや7スロット・グリルなどを模ったデザイン・モチーフがいたるところに隠されているのを発見して楽しくなってくる。ジープの世界観をモダンなデザインに落とし込んだレネゲードは、都会的な場所がよく似合うと思った。

インテリアの基本的なデザインは従来モデルと同じだが、ステアリング・ホイールの形状が変更されたほか、10.25インチのフルカラー液晶メーター、最新世代の10.1インチのセンター・ディスプレイが新たに搭載された。

力強く走る

都内の街に繰り出してすぐ、積極的に電動モーターを使って走ろうとするのに驚いた。20psのモーターに電力を供給する48Vバッテリーは容量0.8kWhと小さいけれど、条件が整えば発進から40km/h程度まで電気モーターだけで走行するのである。外部からの給電はせず、ベルト式スターター・ジェネレーターや回生ブレーキで電気を生み出すハイブリッドだから、バッテリー残量を気にする必要も無い。途中から加勢する1.5リッターターボはたった1500rpmの低回転で240Nmの最大トルクを発生(最高出力は134ps/5250rpm)し、1500kgの車体は力強くグイグイと前に進めていく。




高速道路やワインディングの登りでもパワーは必要十分だ。アクセレレーターをドーンと踏み込むと、勇ましいエンジン音が聞こえてくるのが頼もしい。一方で、ゆったりと大きな動きをもたらす足回りは細かな凸凹を拾いやすく、また、走行中のエンジン停止・再始動時のマナーも、決してスムーズとは言えないと思った。しかし、そんなことも可愛げがあるように見えてくるのだから、レネゲードのコンセプトが持つ力は凄まじい。乗っているだけで、どこか明るい気持ちにさせてくれるカジュアルなクルマなのだ。素晴らしいと思ったのは燃費の良さで、高速道路、ワインディングを含む約580kmを試乗して平均15.8km/リッターを記録した。

ジープの末っ子として誕生以来、ラングラーに次いでジープの屋台骨を支え続けてきたレネゲード。変わらないアイコニックなコンセプトが人気を博してきた一方で、大きく変わったのはその価格だ。2015年のデビュー時には、ベーシックなFFモデルは300万円を少し下回っていたけれど、今回生まれ変わったe-Hybridと呼ばれるマイルド・ハイブリッド車のプライスタグは544万円(税込)から。なんとも世知辛い世の中である。



文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=神村 聖

(ENGINE Webオリジナル)

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