2024.02.15

CARS

小さいけど、本物のジープ! 大人気のコンパクトSUVのレネゲードは、どんなクルマなのか?【『エンジン』蔵出しシリーズ・ジープ篇】

ジープ・レネゲード・トレイルホーク

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中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回お届けするのは、2015年10月号に掲載されたジープ初のコンパクトSUV、レネゲードの記事だ。SUVの本家がいよいよコンパクトSUV市場に参入。フィアットの協力を得て、完成したレネゲードはライバルにひと泡吹かせるのに十分な魅力を有していた。


絶妙なデザイン

ワールド・プレミアの場となった2014年のジュネーブ・ショウでレネゲードを初めて見たとき、その魅力的なデザインに思わず驚きの声を上げてしまった。兄貴分のラングラーのイメージを色濃く残すスタイリングにはオフローダーらしい骨太さだけでなく、どことなく可愛らしさも感じられる。丸型2灯式ヘッドライトと7スロットを組み合わせたフロント・グリルをはじめとするジープならではの意匠をしっかりと盛り込みながら、単なる懐古主義に留まっていない絶妙なデザインだ。



そんなレネゲードに対する印象は今回、日本の空の下で見ても変わらなかった。最近、似通ったデザインが増えているなか、これだけ個性的なルックスを持つクルマはそれほど多くない。存在感も強く、全長が4.2m強のコンパクト・ボディとは思えない佇まいも、レネゲードの特徴と言えるだろう。

ジュネーブ・ショウでの発表から1年半、ようやく上陸した新しいジープの末っ子。日本で販売されるのは以下の3グレードとなる。

・オープニング・エディション(1.4リッター直4ターボ過給+デュアル・クラッチ式6段自動MT+FF)

・リミテッド(右と同じ)
・トレイルホーク(2.4リッター直4+9段AT+4WD)

FFの2グレードは装備が異なるだけで、機能面は同一。ちなみにオープニング・エディションは発売記念の限定車ではなく、カタログ・モデルとして継続販売されるという。4WDは悪路走破性を高めたジープの象徴とも言えるトレイルホークのみとなる。本誌の発売が発表前だったため、正確な価格は教えてもらえなかったが、オープニング・エディションは200万円台(税込)で、一番高いトレイルホークでも350万円(税込)を切るらしい。ライバルの最右翼の1台と目されるミニ・クロスオーバーよりも若干安い設定だ。

ジープは右ハンドル化があまり上手ではないが、レネゲードは問題なし


取材車として借りたのは最上級グレードのトレイルホーク。ジープらしさが一番濃厚なモデルである。

内装も助手席前にあるアシスト・バーをはじめ、ジープ色が強い。外観同様、ラングラーに似た雰囲気を持つ。もちろん、空調の吹き出し口などに鮮やかな色のアルマイト加工を施したアクセントを用いるなど新しさもしっかり盛り込まれている。また、7スロット・グリルやジープの始祖であるウィリス・ジープなどを模ったアイコンが内外装のあちらこちらにちりばめられていて、それを見つけるのが宝探しみたいでちょっと楽しい。オプションで選べる前後2分割の脱着式ルーフ、マイ・スカイも秀逸。屋根全体が外れるラングラーほどの圧倒的な開放感こそないものの、その分、脱着がすこぶる簡単。ひとりで付けたり外したりすることも可能だ。日本仕様の上級タイプでは、フロント側にスライド&チルト機構が備わり、サンルーフとしても使える優れモノだ。

布地のシートは張りが強め



本物の匂い


レネゲードの中でも一番硬派なトレイルホークの走り味はラングラーとそっくりとまでは言わないが、かなり硬派だ。本物の匂いがプンプンする。脚回りはけっこう引き締まっていて、ロールも少ない。1速がエクストラ・ロウとして使えるギア比を持つ9段ATはトルクコンバーターがかなりタイトな設定になっている。そのため、日本車のATのようにスロットル・オフで空走せず、常に動力のやり取りを行うので微妙な速度調整が可能だ。もちろんこれらは人が歩くのもままならないような悪路でもスタックしないためのセッティングに他ならない。1580kgの車重はこのクラスとしては重めだが、2.4リッターという大排気量エンジンのおかげでかったるさは皆無。自然吸気なので低い回転域で緩やかに走ることもできるし、もちろん右足に力を込めれば、スポーツ・モデルに勝負を挑めるような鋭い加速を得られる。

へヴィ・デューティ仕様のトレイルホークに限ったことかもしれないが、レネゲードはいま流行りの乗用車をベースに車高を上げただけの2輪駆動SUVとは一線を画す硬派なクルマだった。ラングラーの弟分として買ったとしても後悔することはない。小さいけど、本物のジープ。本分を忘れてはいなかった。

文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬



■ジープ・レネゲード・トレイルホーク
駆動方式 フロント横置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4260×1805×1725mm
ホイールベース 2570mm
トレッド 前/後 1540/1540mm
車両重量 1560kg(取材車は1580kg)
エンジン形式 直列4気筒SOHC16V
総排気量 2359cc
ボア×ストローク 88.0×97.0mm
最高出力 175ps/6400rpm
最大トルク 23.5kgm/3900rpm
変速機 9段AT
サスペンション形式 前後 ストラット+コイル
ブレーキ 前/後 通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤ 前後 215/60R17
国内発表日(発売日) 2015年9月1日(5日)

(ENGINE2015年10月号)

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