2025.06.19

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フィアット・ドブロが社用車になった! 長野の菱田工務店がドブロを会社の"働くクルマ"に選んだ理由とは?

菱田工務店の代表を務める菱田昌平さんの仕事場の建物とドブロのツーショット。まるでヨーロッパの風景のようだ。

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長野県埴科郡の坂城町に、菱田工務店というとても魅力的な会社がある。欧州の伝統的な民家の趣きを持つ彼らが手がけた家は、どれもが思わず息を呑むほど美しく、手仕事を感じさせるものばかりで、それが長野の自然にとてもよく馴染んでいる。

そんな菱田工務店が、社用車としてフィアット・ドブロを使っていると聞き、さっそく訪ねてみることにした。

ドブロでドブロを訪ねる

菱田工務店との出会いは、数年前にフォローした彼らが発信しているSNSだ。センスのいい美しい写真からは、ただ眺めているだけでも家づくりに対するこだわりが伝わってきた。



こういう感性を持った人にドブロに触れてもらうとどんな言葉が出てくるのだろう。連絡したのはそんな好奇心からだったが、なんと菱田工務店からは仰天するような返事が返ってきた。

「ドブロ、ちょうど納車されたところです」

以心伝心とはこのことか。社用車として購入したというが、こんな偶然は初めて。ますます菱田工務店とその代表を務める菱田昌平さんに興味がわいた。



社用車にドブロを選んだ理由を聞くなら、こちらもドブロで行ってみようと、ロング・ボディのマキシで長野へ向かった。ルートは都心から関越自動車道、上信越道、長野道とほぼ高速道路だ。

距離にして約200km、3時間はかかる道のりだが、元々大陸間の移動が盛んな欧州育ちのドブロを試すにはうってつけとも言える。



1.5リッターのディーゼル・ターボは一定の速度で長距離を走らせるとその良さがよくわかる。1000から1500回転もあれば楽々巡行できるので燃費がいいのはもちろんだが、低回転ゆえに余計な振動や騒音も少なく疲れない。途中、時間調整も兼ねて高速道路を降りて信州の自然のなかも走ったが、そんな余裕が持てたのも疲労が少ないからだ。

菱田昌平さんの自宅兼仕事場の前で。菱田工務店の社用車はノーマル・ボディのドブロだ。

菱田工務店がある坂城町に着くと、すぐに菱田さんが迎えてくれた。訪ねたのは菱田さんの自宅兼仕事場である。

土壁と構造部材の柱や梁が織りなす外壁のなんと表情の豊なことか。母屋の屋根材は杉板だろうか。幾たびかの風雪が、並んだ茅葺屋根ともども年月をいい具合に刻みこんでいる。



この家はベルギーの古民家と同じ方法でつくられているが、この場所にあっても違和感がない。そして不思議なことにドブロもごく自然に馴染んでいる。

「『古る、美る(ふる、びる)』って言ってるんですよ。時がたてばたつほど美しさが増していく。そういうものが好きなんです。それにしてもすごいですね。こちら側にドブロを停めたことはなかったんですが、合いますね、茅葺屋根と」



撮影のために庭側に移動したドブロをまじまじと見て、菱田さんの口元が緩む。

「この家をベルギーの友人とデザインしたとき、デザインの基本は15、16世紀の民家建築なんですが、この先暮らし方が進化してもデザインの考え方や哲学、この時代の手仕事が残るような家にしようと思ったんです。クルマって暮らしと同じように進化するものですよね。ドブロは見事にマッチしている」





この家をつくったのも、ドブロを選んだのも菱田さんだ。違和感がないのは当然かもしれないが、初めてみるドブロと家の景色にあらためて菱田さんの感性が反応したようだ。

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アイディアが生まれる場所

家づくりでは美意識を研ぎ澄まし、感性の声に耳を傾ける菱田さんだが、ドブロを社用車として選んだ理由はなんだったのだろうか。

「クリエイティブなことって、やはり移動中にパッと浮かぶことがあるんです。それも自分が好きな空間にいないといいイメージは浮かばない。そうするともうヨーロッパのクルマしか選ぶものがなかった」





母屋に続く茅葺屋根の建物が菱田さんの仕事場だ。菱田さんは自分が好きなこの場所に籠ってデザインのアイディアを考えたり、図面を引いたりする。ドブロにも同じものを感じたという。

「実は同じフィアットの500に乗っていたことがあるんです。そのとき、フィアットのクルマって乗る人の心をデザインしてくれていると思った。フィアットのデザイナーって、自分自身が楽しくデザインしている気がするし、誰よりも楽しく乗ってると思うんです。それが伝わってくる。だから大好きなんです」



菱田さんは19歳で大工に弟子入りし、その関係で日本の大工職人としてヨーロッパの職人と交流する機会を得た。そこで出会い大いに共感しあったのがベルギーの職人たちだった。彼らは「考えながら造るアーティスト」と呼ばれ、一目置かれる存在だったという。

工務店と聞くと、設計は別で家を建てる方と思うかもしれないが、菱田工務店はそうではない。お互い頻繁に行き来するベルギーの職人たちと同じように、菱田さんも設計も行い、自ら木を削り、家を建てるすべてを行う。

加工場の資材をバックにドブロを撮影。



工務店の見え方を変えたい。そう言葉にする菱田さんだが、ベルギーの民家づくりを日本で実践する唯一の会社というブランディングの一環で、会社のクルマも大事な表現手段だと考えた。ドブロを社用車にしたのはそこにも大きな理由があったという。

「アイディアから家が建つまでのすべてを行う菱田工務店の顔の一部を担うことになる。施主さんにとって、家はイコール暮らしそのものなんですね。暮らしにはクルマも含まれている。そうすると不思議なもので、施主さんは僕らが乗っているドブロも含めて菱田の家での暮らしをイメージするんです」


※ナンバープレートは後から加工しています。実際のものとは異なります。
ベルギーの民家と同じように、歴史と伝統という一長一短ではつくることができない長く培われてきたものが、イタリアのブランドのフィアットにもある。ドブロにもそれがちゃんと滲み出ていると菱田さんは言う。

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第一級のグランドツーリングカー

菱田工務店の社用車として働くドブロはマキシではなくノーマル・ボディだ。まだ納車されてまもないが、これで商談にも行くし、現場にも行く。

「撮影用のインテリアも運べるし、日常性もちゃんとある。でも、驚きましたね。リア・シートを倒せばノーマルのボディでもこんなに長い資材が積めるんですから」





菱田工務店のドブロが本格的に活躍するのはまだまだこれからだが、実は菱田さん、もうすでに2台目のドブロの導入を考えているとか。それだけドブロが気にったというわけだ。

ベルギー民家の自宅兼仕事場で話を聞き、大きな柱や一枚板が積み上げられた加工場でも撮影を行った。そしてもう一度ベルギー民家に戻って夕暮れまで撮影すると、坂城町を後にする頃はすっかり暗くなっていた。



ドブロでドブロを訪ねた取材だったが、最後にドブロのマキシで走る東京までの帰路の様子も書いておこう。日本に輸入されているドブロは乗用タイプだが、イタリアの本国では商用モデルも販売されている。帰路はまさに業務用としての性能を垣間見ることができた。

欧州では積載量ギリギリまで荷物を積んで一日に何百キロも走るのは日常的だ。クルマ
にかかる負荷たるや相当なものだが、商用車としては荷物を下ろした帰りも、可能な限り迅速にそして安全に戻ってこられる性能が必要になる。



東京に向かうドブロはまさにそんな感じだった。一般道は望外に乗り心地が良く、高速道路では意外なほどフラットに走る。それでいて硬さもなくしっとりしているので、進路がふらついたり不快な振動もないことにあらためて驚かされた。これが絶大な安心感につながることは言うまでもない。

なるほど、商用車は実は第一級のグランドツーリングカーであり、ドブロもそんなクルマだというわけだ。

文=塩澤則浩 写真=望月浩彦

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(ENGINE WEB オリジナル)