2025.06.22

CARS

ル・マン3連覇マシンをイメージした「ピロティ・フェラーリ」とは? クライアント・レーサー限定販売の296スペチアーレ

レーシング・プログラムもやはりフェラーリが王者か?「ピロティ・フェラーリ296スペチアーレ」が公開に。

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フェラーリが「ピロティ・フェラーリ296スペチアーレ」を公開した。フェラーリのレーシング・プログラムに参加することのできる、クライアント・ドライバーのみに購入が許されるピロティ・フェラーリ、その最新モデルだ。

跳ね馬のレーシング・プログラム参加車両


2018年には488ピスタで製作されたピロティ・フェラーリ仕様が、ル・マン本戦前日に披露されたが、今回も同様の舞台に、超レアなこのクルマは現れた。



2025年も含め、ル・マン3連覇中のフェラーリだが、その勝利をもたらしたル・マン・ハイパーカー・クラスのレーシング・マシン、499Pにインスピレーションを受けたのが、このピロティ・フェラーリ仕様の296スペチアーレである。

ボディ・カラーは、レースに由来する4色を設定。ロッソ・スクーデリアのほか、ブルー・ツール・ド・フランス、ネロ・デイトナ、アルジェント・ニュルブルクリンクから選択できる。それを彩るのが、499Pをイメージしたジアッロ・モデナのリバリーや手書きのWECロゴ、フロント・バンパーのイタリアン・フラッグ。さらに、購入者が数字を自由に選ぶことのできるゼッケンが入る。



お披露目されたピロティ・フェラーリ296スペチアーレはロッソ・スクーデリアがベースで、ゼッケン・ナンバーは51。これはアレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/アントニオ・ジョヴィナッツィ組が、2023年に100周年を迎えたル・マンを制したマシンにちなんだビジュアルだ。



室内には、熱成形した黒いアルカンターラに、レーシング・スーツと同じ耐火素材のアクセントを加えたレーシング・シートを装備。選択したゼッケン・ナンバーは、シート・バックのカーボンに記されるほか、フットウェルの金属パネルにも刻むことができる。



カーボン製の専用プレートが据え付けられるほか、同じ素材のシル・プレートにはトリコローレとテイラー・メイド・プログラムにより製作されたピロティ・フェラーリ専用品である旨が表示される。

元々296スペチアーレは、120度V6ツインターボ&PHEVユニットを搭載する296GTBがベースとなる。エンジンはF1由来のコンポーネンツを用いて軽量化と補強が施され、システム出力は880psを誇る。8段DCTも、変速をクイックにした専用チューニングとなる。フル・パワーでのタイム・アタックを可能にするエキストラ・ブースト機能も追加されている。



車体は軽量化とともに空力性能の向上も図られ、吊り下げ式スプリッターやリア・ガンマ・ウイング、拡大されたディフューザーなどを装備。ダウンフォースは、296GTBより20%高めている。シャシーも、サーキットでのレスポンス向上とより精密な挙動を求めて修正されている。



稀にオークションに出品されることもあるピロティ・フェラーリ仕様だが、いくらカネを積んでも資格がなければ購入できない特別なモデルだけに、落札額は法外なものになりがち。メカニズムとしてはベース車との差異がないとはいえ、フェラーリのファンであれば、なんとか競り落としたい気持ちは理解できるはずだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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