春の時計見本市や新製品発表も一段落。新作が続々と店頭に並び始めた。ダイバーシティー=多様性の時代。より柔軟・自由な”新基準=ニュースタンダード”によって、今の自分にふさわしい一本を選びたい。8名のENGINE時計委員の目利きを参考に、この夏、一生つきあえる腕時計をセレクト!
エドックス ネプチュニアン グランデ リザーブ デイトオートマティック
「クロノオフショア1」と並ぶエドックスの本格ダイバーズウォッチ「ネプチュニアン」は、その名のように海の神からインスピレーションを受けて誕生したモデル。
特徴は、ダイバーズウォッチの基本デザインを活かし、タフネスを徹底追求したプロスペック。高品質の316Lステンレススティールで作られたケースは300m防水を確保し、逆回転防止型ベゼルには耐傷性に優れるハイテクセラミックをセット。そして自動巻きムーブメントには68時間という余裕の長時間パワーリザーブが備わる。
爽やかなブルー(左)やグラデーションブルー(右)のダイアルとラバーストラップとの組み合わせは日本限定の特別仕様だ。ケース直径42mm。各30万8000円。
海時計のニュースタンダード 柴田 充
ダイバーズウォッチのスタンダードは、1950年代に完成したといっていいだろう。厳しい水圧に耐え、暗い海中での視認性に優れ、潜水時の経過時間を計時する。技術革新とともにスペックは向上しても、その文脈にある。
ただしひとつ変わってしまったことがある。それはプライスだ。スポーツウォッチの代表格であり、ダイビングやサーフィンでも傷つくことを厭わず道具としてラフに使えたのも、手の届く範囲にあったから。
このモデルは価格を抑えつつ300m防水の本格ダイバーズ機能を搭載。ラ・ジュー・ペレのムーブメントは68時間の駆動時間を誇る。スタイルも洗練されており、機能、デザイン、価格の三拍子が揃う。まさに海時計のニュースタンダードである。
サイズと価格でこなれ感あり 篠田哲生
エドックスといえばウォータースポーツ。以前エドックスが公式計時を務めるパワーボートレースの取材でドバイに出張に行ったときには、そのスピードと迫力に驚かされた。そんな懐かしい記憶に浸っていたら、タフな300mダイバーズが誕生したというではないか。
元々クロノグラフでも500m防水を実現させるほどに、その技術に定評があるエドックスだが、このモデルはケース直径42mmというサイズ感を重視したのだろう。実際、300m防水でもスペックは十分に高い。デザインも奇をてらっていないし、海の時計メーカーとしての実績も十分。それでいて価格もこなれているので、ミドルレンジのダイバーズウォッチを探しているなら、いい選択肢になりそうだ。
問い合わせ=ジーエムインターナショナル Tel.03-5828-9080
写真=宇田川 淳
(ENGINE2025年8月号)