2025.07.12

CARS

繊細なレースを模したアートワーク オートクチュールを思わせる「ロールス・ロイス・ファントム・ダンテル」

ピンクという色の扱い方がここまで上品とは!

全ての画像を見る
ロールス・ロイスが、中東の顧客のオーダーに応えた世界に1台のビスポーク・モデル、ファントム・ダンテルを公開した。

これがお父さんへの贈り物!?


英グッドウッド本社の雰囲気を離れた地でも感じられる、招待制のプライベート・オフィス・ドバイを通じ、父親への贈り物として発注されたこのクルマ。



レースを意味するフランス語を車名としたのは、インスピレーションの源が、希少なリバー織機で織られた一枚のクチュール・レースだったから。その立体的な花のモチーフと真珠のようなディテール、繊細なテクスチャーと優しい色合いは、内外装双方のデザインの基盤となった。



エクステリアは、下部がアークティック・ホワイト、上部がクリスタルのパレ・ネマスカ・ドーン。マラケシュの5つ星ホテルの名を冠したこの色は、専用開発されたものだ。ダブル・コーチラインはサンライズで、手書きのモチーフは真珠を実らせた枝だ。



ホイールは、全面ポリッシュ仕上げの22インチで、センターはボディ上部と同色、ピン・ストライプはアークティック・ホワイト。パンテオン・グリルもポリッシュ仕上げで、スピリット・オブ・エクスタシーは、刻印入りトレッド・プレートと同じローズ・ゴールドで彩られている。



インテリアには、クチュール・レースに着想を得たフローラル・パターンを作成。複数のスティッチ技法や糸の密度、ローズ・ゴールドやサンライズにオートミールとさまざまな色調を重ね合わせた刺繍は、16万針を超える。

細金細工のようなベースは、トリプルラン・スティッチによるメッシュ構造で、その上にシルクのような柔らかい光沢を持つ花柄をサテン・スティッチで表現。さらに、クチュール・レースに見られた真珠を思わせるディテールを、アクセントとして加えた。



左右後席の間に設けられたウォーターフォール・セクションは、約7万針のスティッチで花やシダなどのモチーフを描き出した。レザーはサンライズとグレース・ホワイト、スピーカー・グリルにはテーマ・カラーのひとつであるローズ・ゴールド、装飾パネルにはピアノ・ホワイトを採用している。

ややもすれば品を失ってしまいかねないピンク系の色合いを多用しながら、華やかかつ上品にまとめ上げたのはさすがロールス。



自分の手元に置くことはできなくても、芸術的な仕上がりを眺めているだけでも目の保養になる。次なるビスポーク・モデルの披露が楽しみだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement