2025.07.23

CARS

カローラじゃない“スプリンター”の30年 10台に1台はキャンピング・カーのベースへ

最新版のキャンパー、Vクラス・マルコ・ポーロの改良版も登場する予定。

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メルセデス・ベンツの商用車、スプリンターが30周年を迎えた。メルセデスの商用バンとしては最大クラスで、世界的にキャンピング・カーのベースとして人気のモデルだ。

まもなく4代目も登場するのか?


1995年、それまで18年間も生産されたT1トランスポーターに代わり登場したスプリンターは、モーター・ホームとも呼ばれるキャンピング・カーのベースとして人気を得てきた。2024年は、全生産の10台に1台が、世界各国のキャンピング・カー・メーカーに販売されたという。

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ドイツ・デュッセルドルフで8月26日から開催される毎年恒例のキャンピング・カー・ショー“キャラバン・サロン”ではこのスプリンターの30周年を祝した展示が行われる。

そこには、キャンピング・カーに改造された初代モデルや、欧州でスプリンターをベースにしたキャンピング・カーの半分以上が使うというトラクション・ヘッド、つまり前席より後方のシャシーが露出した仕様が出展される。



そもそも初代は、パネルバンやハイ・ルーフのほか、シャシー仕様からトラックやダンプまで多彩な顔ぶれで、バン・ベースから本格的なモーター・ホームまで対応。ホイールベースはショート/ミディアム/ロングの3種類で、3000〜4025mmだった。



2006年には2代目へバトンタッチ。スーパー・ハイ・ルーフが追加され、全長は4種類に。ESPやコーナリング機能付きバイキセノン・ヘッドライトなどの採用で、安全性が大幅に高められた。2013年には、横風アシストも追加されている。



3代目となる現行モデルは2018年のデビュー。ディストロニックなどのADASが導入されたほか、さらにキャンピング・カー製作の自由度が拡大するトラクション・ヘッドが設定された。

駆動方式も多彩で、後輪駆動とそれをベースにした4WDのほか、前輪駆動も用意。2021年には、4WDの前後トルク配分がフル可変式になった。EV仕様も登場し、当初はフロント・モーター、2023年からはリア・モーターとなっている。

今後は、新開発のバン・エレクトリック・アーキテクチャー(バンEA)によるBEVと、バン・コンバッション・アーキテクチャー(バンCA)による内燃機関モデルを設定することになる。バン・アーキテクチャーを採用するVクラス後継の「VLE」と「VLS」が、2026年に発売予定とされており、4代目スプリンターも遠くないうちにお目見えすることになりそうだ。

キャラバン・サロンでは、スプリンターをベースにした新型キャンピング・カーも多数展示される予定。また、Vクラス・マルコ・ポーロのアップデート版も披露される。



ちなみに、初代スプリンターは、2006年ごろまで日本へも正規導入されていた。スリー・ポインテッド・スターが誇らしげな商用バンの姿を、ご記憶の読者もいるのではないだろうか。

ただし、トヨタの商標権に抵触するため、車名はトランスポーターT1Nと改められていた。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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